外務大臣に挑んだ女 (1) | 菅野さち子 オフィシャルブログ「ふるさとを忘れず、ふるさとに寄り添い、ふるさとのために生きる」Powered by Ameba

外務大臣に挑んだ女 (1)

こんなに寒い冬は記憶にない、心配事の存在は体感温度を下げるのか、それとも肉体の老化か、今年の冬は、県議の仕事をさせて頂いている丸10年で、最大のプレッシャーに押し潰され続けた日々で始まった。

 

 待ち合わせは船引町の結婚式場辰巳屋、お目当ての相手は、先崎県議の支援者ではあるが、私も満山県議も初対面であった。辰巳屋ロビー脇の喫茶スペースを打合せ場所と決めてから、トイレで用を足して戻ってみると、先崎県議が誰かと立ち話をしている、見た感じからすると


「知り合いの掃除のおばちゃんかな?」

と思いながら近づいてみると、その人が、塾・中高大学講師の菅野さちこ氏、掃除のおばちゃんと見間違えたその人が、一ヶ月後には代議士になる菅野さちこ氏、初対面であった。

 

11月17日(土)

 

「近いうちに解散する」

と宣言してから100日目、大方の予想を裏切る民主党野田総理の突然の解散劇に、我々衆議院福島県第三選挙区支部長選考委員会は翻弄された。

 出馬を打診していた人物からの断念を受けて、選考が振り出しに戻った時点で、公示まで18日、選考した人物を報告する支部長幹事長会議まで2日しか残ってなかった。以前から「出馬しても良い」と言っている人物が居るとの情報から、先崎県議が接触していた女性と、とにかく会ってみよう・・我々に残された道は他にはなかった。



猛烈な氷雨が降る中、福島市の自民党県連を出た時には既に暗くなって、選考した人物を報告する支部長幹事長会議まで24時間を切っていた。




 

 菅野さちこさんの真剣な眼差しは出馬への意欲と言うより、地元選出現職代議士玄葉光一郎外務大臣への義憤であった。

「誰もやらないなら私がやりたい」

というシンプルな想いがストレートに伝わって来る。

「家族の了解は?」

「理解させます」

「仕事関係者の了解は?」

「きちんと説明します」



後から思えば、迷いが無かったはずなど無いのだが、迷いなど感じさせない彼女のオーラが、日頃は人様の力を借りて選挙を戦っている我々3人の県議に

「この人の力になって勝ち抜こう」

と決心させた。



掃除のおばちゃんと見間違えた位、普通の人が、我々と色々話した2時間後には、公人の在り方を人に問う教育者の風格、地域の想いを代表し得る人物の輝きにあふれていた。



辰巳屋の外に出ると氷雨は上がり、寒いけれども凛とした、しかし実に重たい空気が、我々3人の県議の、今後一カ月に亘る深い修行を暗示していた。