林町 | 菅野さち子 オフィシャルブログ「ふるさとを忘れず、ふるさとに寄り添い、ふるさとのために生きる」Powered by Ameba

林町

林町にある親戚の家に母はときどき一人て出かけて行った。

そこは母の伯父にあたる人の家で、
伯父は福島師範を卒業し
東京商科大学(今の一橋大学を)卒業後
自分の会社を経営しながら
レナウンの前身の会社を始め
10社に渡る会社の取締役社長を兼任していた。

戦前は福島の田舎から伯父の会社に勤めにでていた人もいて
「大変よくしてもらってありがたかった」
と嫁いだ町で言われたことがあった
と母から聞いたことがある。

母の伯父は東京大空襲の時に亡くなっていた。
会社の従業員を防空壕に避難させ
最後に自分か入いろうとした時に流れ玉が入り口の大きな石にあたり
石の破片が頭部に直撃して亡くなった。

林町の家は昔大きな料亭であったのを伯父が購入して住居にしていた。
渡り廊下を挟んて別室があり、庭には茶室があって、池には鯉がおよいでいた。

東大を出て、女性で始めて官僚になり、女性で始めて事務次官になった
松原亘子は母の姪にあたり、伯父にとっては孫にあたる。

退院後訪ねた時に、のぶちゃんが電話で英語で話しているのを耳にした事がある。

「彼氏と話してるのを私たちに聞かれたくないから、英語で話してるのよ」
福島の田舎から女中として働いていたすみちゃんから聞いたことがある。