ワタリウム美術館「リボーンアート・フェスティバル東京展」 | 黒田幸彦のブログ

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徒然なること

★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2017年に宮城県石巻市で開催された芸術祭の「再現」。
現地にいるかのように想像を膨らませれば、違う体験になったのだろうか。

生まれ変わったらなりたいものを叫びながら、蝉の抜け殻を叩き潰す映像シュール。空蝉とはこの世、あるいはこの世に生きる人を意味する。転生の姿を願いながら、現世に留まる為の器を故意的に破壊することとはつまり、輪廻の為の自死か。殊に被災地において、死をもたらす者=自然災害が転生を願うとは、グロテスクな発想。
日活パール劇場の予備知識があったとしても、現地の箱なくしてポルノ画像で溢れる空間を再現することにどれ程の意義があるのか。