T様のご支援による井戸が完成しました。
カンボジアの建設会社 KHJ Constructionsから届いた写真と報告書の内容です。
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井戸建設報告書 (スクン村)
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スクン村のヴィチェさんの庭に井戸が完成しました。
水質、水量共に良好でヴィチェさん一家と近所の人々に毎日の炊事、洗濯、水浴びなど全ての事に使われています。
雨水を溜める水瓶が不要となった為、井戸の横に設置されました。これがないと一人で使いにくいからです。
井戸の先っちょにペットボトルを付けて水瓶に水を入れやすくなっています。
ペットボトルはリーちゃんのアイデアだそうです。
ヴィチェさんより
『井戸ができて本当に便利になりました。住人みんな便利に使っています。みんなとても井戸を気に入っています。ありがとうございます。』
リーちゃん(孫、女の子)より
『とても便利で簡単にきれいな水を使う事ができます。おじいさんが片足で川に水浴びに行くのが大変でしたが、今はとっても楽に水浴びができます。』
チョーイ君(孫、男の子)より
『水が冷たくて美味しい。将来、井戸を掘る仕事をしたい。』
近所のおばさんより
『井戸が出来るのをとても楽しみにしていました。とっても便利なので嬉しいです。子供たちが喜んで井戸を使いすぎるので、ヴィチェおじいさんに凄く叱られていました。壊さないように大切に使います。本当に感謝しています。日本の皆さんがいつも元気でありますように。』
近所のおばあさんより
『とても井戸ができて便利です。とっても嬉しいです。ありがとうございます。』といっておりました。
写真のヴィチェさんの表情は固いですが、それはいつものことだそ
うです。いつも歯を食いしばったような生き方をしていたのかと思
います。
また、おばあさんは顔を隠していますが、どうやら写真を撮るのが
とても恥ずかしいようです。
井戸が出来たことに集落の人々みんながとても喜んで幸せだと感じ
ていて、とても感謝され、今回のスコン村井戸建設は大成功だった
と言えます。 今後、井戸は永く人々から愛され、人々を潤してい
くことでしょう。
ご支援頂きありがとうございました。
KHJ Constructions
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井戸建設前のスクン村の様子と村人からのメッセージです。
スクン村はアンコールワットから約30km離れたところの森の中にあります。
スクン村に住むヴィッチェさん一家です。
ヴィッチェさん(78)
リン(36)出稼ぎ中 農業の仕事
レン(26)出稼ぎ中 農業の仕事
リー 中学1年生 緑のシャツ
ボラー 小学4年生 ピンクのシャツ
チョーイ 小学3年生 縦縞のシャツ
サイナー 小学1年生 小学校で勉強中
ヴィッチェさんはクメールルージュの時代に地雷で足を失っています。
息子のナイさんは離婚した後、子供を残して失踪してしまい、現在は、残された孫4人と一緒に暮らしています。
生活は出稼ぎの2人の仕送りで成り立っています。お米と毎月約40ドル程の仕送りがあります。
水は近くの池から汲んでいます。水汲みはリーちゃんの仕事です。
リーちゃんは『池の水は綺麗な時も、あれば汚い時もあります。汚い時は気持ちが悪いです。井戸があったらとっても嬉しいです。水が綺麗だし、水浴びもいつでもできるし、洗濯も沢山しても大丈夫。』と話していたそうです。
井戸は付近の4世帯の約20人で使用することになります。
用途は飲料、炊事、洗濯、水浴びに使用されます。
ヴィチェさんは、『井戸が欲しいです。孫のリーが毎日水汲みやその他たくさんの仕事をしています。とてもかわいそうです。井戸があればとても楽になります。日本の事はバイクのホンダと耕運機のクボタを知っています』と話していました。
足の事については『20年か30年前に地雷を踏みました。死ぬほど痛かったし悲しかったです。今は大丈夫だけれど仕事がやり難いです』との事でした。
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カンボジアの田舎の村にゆくと、先の内戦で大けがをした人、足を失った人を見かける事があります。
当時の内戦での地雷やベトナム戦争で落とされた不発弾が、今なお多く残されていると言われています。
戦争から20年過ぎた今でも、地雷や不発弾により大けがをしたり、命を落とす事故が起こっているそうです。
以前、カンボジアの田舎を訪れた時、村に住むお母さんから、当時の話を伺う事がありました。
戦地から逃れる為に、家族で歩いて国境を越え、食べるものもなく、本当に辛く大変だったと話していました。
これまで片足で、水浴びに行くのがたいへんだったヴィチェさんも、
村に井戸が出来た事で、毎日楽に水浴びができるようになりました。
T様、貴重なご支援ありがとうございます。