死にゆく者からの言葉 (文春文庫)/鈴木 秀子

¥530
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内容(「BOOK」データベースより)
死にゆく者たちは、死の迫っていることを知っている。残された日日に、自分の人生を振り返り、自分の人生の意味を見つけ、あるいは未解決のものを解決し、不和を和解に、より豊かな愛の結びつきにすることを望んでいる。そして死者を愛する人たちの心の中では、死んでいった人たちが、今までよりも強い命の絆で生き始める。

少し前に読んだ本なのですが、とても感動しました。

死を目の前にされている方の、最後の生き様や

残された家族へのメッセージ。自分の人生を振り返り、

最後に自分の生きてきた意味を感じ取る瞬間。

この世で解決すべき問題に最後まで向き合おうとする人間の尊さ。


私自身、自分が死ぬ事や母の死に対して、まだまだ

向き合うことはできませんが、人が「死」をむかえるという事について、

なかなか言葉でうまく表せないので、不適切な表現なのかも

知れませんが、とても尊く感じました。


父が亡くなる時、私自身その瞬間に立ち会うことができました。

最後一瞬、苦しげな表情を見せた後、すぅーと優しい表情になり、

本当に仏様の様な表情で最後の時を迎えた事を、もう15年以上も

前の話になりますが、今でもその時の様子は目に浮かびます。

父の人生はとても苦労の多い不遇な人生でしたが、

きっとこの世でやるべきことをやりきったのだろうなと思います。


私自身は父が亡くなってからの方が、父との絆が深まった

ように感じています。父の死後、父のカルマの出来事も

沢山体験しましたし、父の不遇な人生のおかげで、

自分自身が守られていること、助けられていることが沢山あります。

いつもそばで私や母の事を心配しながら、見守ってくれて

いるように感じます。

そう考えると、死んでも親子の絆は無くなるものではない・・・

そう実感はありますが、やはり肉体としての存在が無くなるという

ことは、あまりにも大きなことです。


様々な生き様があるように、様々な死に様がある。

死ぬ瞬間、どんな気持ちになるのか?勝手な想像に過ぎませんが、

走馬灯のように人生を振り返り、

そこで自分自身の出来る限りのカルマを解消して、

残された人達の幸せを祈って幕を閉じるのかなと・・・

この本に描かれている死にゆく人達の姿を通して、

そんな風に思いました。





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