夜明けの街で (角川文庫)/東野 圭吾

¥660
Amazon.co.jp


昨日一気に読みました。


「不倫する奴なんで馬鹿だと思っていた。

ところが僕はそのせりふを自分に対して発しなければ

ならなくなる・・・」



という書き出しから想像できるように、


建設会社に勤めるごく普通のサラリーマンの男性。

専業主婦で旦那さん思いの奥さんと幼い娘が一人。

自分の望んでいたごく平凡だけど明るい家庭に築いていた

男性が、派遣社員の女性と思わぬ不倫の恋に堕ちてしまう・・・。


ミステリー小説ですが、その大半が、男性の家庭と浮気に対する葛藤

について書かれていたように思います。


「食事に行く位、浮気じゃないよな・・・」

というところから、どんどん深みにはまっていく様子、

妻や家族に対する罪悪感と、自分自身の言い訳。

結婚生活と不倫相手との恋のはざまで揺れ動く葛藤。

妻に不倫がバレる事を恐れる緊張感。

家族を取るか、彼女を取るかの選択での苦悩。

これらの心理描写と心の葛藤の様子が、とても繊細にリアルに

表現されていました。


主人公の奥さんは、良妻賢母で、女性から見てもとても

素敵な妻像ですし、主人公からしても何も不満があるわけでは

ないのです。

バラコミ的に言うと、妻はキャラは(秘書・母キャラ)で、

欠落していた姫キャラに、この不倫相手が補う形になった訳ですが・・・。

とは言え、一人で3キャラ(姫・秘書・母)すべて網羅するのも

非常に難しいですし・・・。

女性の立場からすると、「奥さんのどこが不満なの??」

と思わず言いたくなるような家庭環境かも知れません。


もう一つ、バラコミ的に考えるならば、


「不倫する奴なんで馬鹿だと思っていた。

ところが僕はそのせりふを自分に対して発しなければ

ならなくなる・・・」



馬鹿だと思っていた。つまり、この主人公が不倫を

する男性の気持ちへの不理解感情があった為に、自分が

その立場を経験することになった・・・とも考えられます。



最後のおまけ?で書かれていた同僚の新谷君の話の一文が

とても印象的でした。


「結婚は俺から色々なものを取り上げた。

稼いだ金を好き勝手使う権利、朝帰りや外泊の自由、

そして何より外の女性のロマンス。

もちろん、結婚によって得たものもないわけではない。

食事や家事の事を考えてなくてよいのはとても助かる。

いつだって下着は洗ってあるし、部屋の隅に埃が溜まることもない。

だがそういう快適な生活と引き換えに失ったものの大きさを

俺は日増しに考えるようになった・・・」


男性の本音なのでしょうね。


そして、「安定した生活」を手放す位なら、少々のことは

我慢する、離婚して夫が浮気相手が幸せになる位なら、

少々のストレスは受け入れるという女性の気持ちも

巧みに描かれていました。


「男性の本音」を理解する為に、とても勉強になる?

小説でした。

そして日々家族の為に働く男性の哀愁?を感じました。


一般的に、養われる立場の女性と養う側の男性では、

「結婚」に対する認識が大きく違うはずです。

特に女性の立場としては、男性の結婚に対する覚悟、

背負うリスク、などを理解することがやはり大切なのだと思います。


男性と女性の「結婚」への捉え方の違いについて、

さらに少し詳しく、お仕事ブログで書きたいと思います。






◆カンボジアに小学校を建てませんか? ◆

■小学校建設支援の可能性について

今回の寄付金による小学校建設が、カンボジアの子供達に
(ひいては、カンボジアという国に対して…)
与える影響について考えてみました・・・
続きはこちらからお読み下さい。


【振込み専用口座】

■郵貯銀行
00960-2-182542
バランスコミュニケーションチャリティー基金
■一般銀行からお振込みの場合
郵貯銀行
0九九支店(ゼロキュウキュウ支店)
当座0182542
バランスコミュニケーションチャリティー基金


銀行よりお振込みの場合は、小冊子送付の為、
ご住所をinfo@balacomi.comまでご連絡下さい。

※9/15を一応の受付の区切りと考えております。