先日 93歳になるお婆さんが息を引き取った


うちの施設は 看取りという体制をとっていない


しかし 病院は『老衰』であり 治療の対象ではなく受け入れ拒否 

ご家族は事情があり 自宅へは帰れないとのこと


様々な事情があり最期は施設でということになった


お婆さんの最期を迎えるにあたり ケアの方向性を定めるため会議が行われた


職員は不安や心配を抱えており色々な意見が出された


人としての生活 朝はおきて夜は寝る 今までの生活リズムを変えないほうがよいのではないか・・・

今の状態では 離床するということは体力的に 負担ではないか・・・



食事に関して

食べない のではなく 食べれない もしかしたら 食べたくない 体が欲さないのでは・・・

でも本人は食べるということを望んでいるのではないか・・・
そのたった一口が 誤嚥や窒息 どれだけ危険な行為になるのか・・・


2時間おきの体位交換 褥瘡予防の為 最低限必要・・・

でも穏やかにというのであれば ようやく眠りについたとき またおこしてしまうことになるのではないか・・・


最後にお風呂にいれて あげたい・・・

でもそれはご本人の体力に負担ではないか・・


ご本人の状態からは最後の希望を聞くことはもう不可能


ご本人が望んでいることは何か? どうしてあげることが本人にとって良いことなのか 

それぞれ職員の価値観があり それぞれの理想がある

多少 ズレがあろうとも 最期を 一分一秒でも穏やかに過ごしてもらいたい

その気持ちは みんな変わらなかった


想いのある意見に 不正解はないと思える


『一人の命の最期』  想いの詰まった会議であった



ご本人の負担にならないように

でも心細くないようにみんなで寄り添った


それから一週間が過ぎた頃 静かに息をひきとられた


穏やかな表情にみえた


今でも思う 

お婆さん これでよかったのかなぁ?


返事が帰ってくることはなかったけど ずっと忘れないよ


私の心の中では 今の尚 毒舌なお婆様のまま 変わらないクローバー