先生は、ジャンルにとらわれず演奏できるタイプの人。僕は、この先生にジャズを中心に教えてもらっている。この先生との付き合いは長い。
この日は、枯葉のアドリブ。
今までは、先生の用意するメニューを何となくやっていたが、最近は自分で習いたいことが明確になってきたので事前にレッスン希望をメールで送ってその希望に基づいてレッスンを考えてくれている。
枯葉は、今までも何度か習ったことがあり、アドリブの譜面も書いてもらったが、今は自分で音を探しながら弾いた方がいいとのことで、自分で完全アドリブで演奏できるようになった。
何年か前に比べると進歩は間違いなくしているが、実際弾いてみるともう少し上手く弾けないものかともどかしくなってくる。3年前の自分が今の自分の演奏を聴いたら満足すると思う。ただ、今の演奏を今の自分が聴いても満足しない。演奏より耳の方がどうしても先行しているので、おそらくいつになっても演奏で満足することはないような気がする。
この日、注意を受けたのは「アドリブも歌うように弾く」ということ。今、左手のバッキングも気にしながら弾いているので、どうしても右手がそのバッキングのたびに切れているらしい。それをフレーズとして右手が歌うように弾くようにとのことだ。
何となく右手が歌えるまでもう少しという気もするが、まだまだ道は長いような気もする。うん、多分道のりは長いのだろう。
アドリブの最中のバッキングについても注意を受けた。僕はどうやら一拍目にバッキングが集中しているようだ。確かに三拍目の裏に続けて一拍目に入れるとジャズらしい感じになる。僕は、その一拍目にバッキングを入れて右手のアドリブを裏から入るというパターンが多いようだ。一度二度ならいいが、どうやらそれを多投しているらしい。
なるほどなるほど。先生に見てもらうといろんなことが見えてくる。
ジャズピアニストは、コードによって指の癖をつけてフレーズをたくさん覚えているとのこと。あるコードが出てくると自分が覚えておいたフレーズを弾くとそれっぽく聴こえるとか。なのでジャズピアニストはコードが変わると一気に弾けなくなる人がいるらしい。先生からするとジャズピアニストの演奏は、難しい訳ではないと言っているように聞こえる。
そしてレッスンが終わりまたまた飲みに誘ってくれた。
酒屋BAR#301
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このお店は、ウッドベースとアップライトピアノでジャズを聴かせてくれるお店。以前、ここのピアノを少し弾いたことがあるのだが、結構雑な音のするピアノで偉そうなことを言うと弾きにくいピアノ。それでもプロが弾くとやっぱり上手い。マイクも通さない完全生のベース音と上手く絡んでそこそこ耳の肥えた赤坂のお客を楽しませてくれる。
僕のピアノの先生は常連のようで、この日もお店の人から催促されて一曲弾いていた。
ピアノを練習していて何が目的か分からなくなる時があるが、もしかしたらこんなお店で軽く弾けるようになることが最終目的かもしれない。