sachiのブログ

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お店を出ると、少しだけ寒かった。
「幸ちゃん、近くにバーがあるよ。行こう。」
洋平くんと手を繋ぐ。

多分、これだけのことが、こんなことが、大切なんだと思う。
私の欲しいものなんだと思う。

もう一番大きくてあたたかい手には触れることができないから。

「こんばんはー!久しぶりー!」

洋平くんの行きつけみたいだった。

「ありゃ!
最近来なかったじゃんねー!
コアントロでいい?」

「うん、最近こっちに来なくってさ。」

「でー、今日は美人とデートかーいいなー。なににする?」

「私も同じで。コアントロトニック。」

「彼女、めちゃくちゃ酒強いんだよ…
強い酒で潰して(笑)!」

「えー、だめだよ。」

そんな話をしながら、この日は結構飲んだんだ。



「ごめんなさい! 」


「うん。いいよ」

「ごめん…ね。この間もだね。 」

「んや。良いよ。

今日ワイン好きって言っていたから、ワインと和食のお店どうかと思って。」

「どこにあるの? 」

「ここから歩いてすぐみたい。
行ったことないんだけど、この辺、行ってみたい店所多いんよね! 」




「いらっしゃいませ! 」
店内は明るくて、変わったワインがたくさんあった。


「幸ちゃん何飲む?あと何食べたい? 」


「まずはビールと…
おでん食べたいです。 」


「すいません、じゃあビールとハイボール。あとおでんを最初に。」

「私おでん好きなの。」


洋平くんといると痩せるかもな。
あまり食べないから、注文しずらいな。


「そうだ幸ちゃん、来週の木曜日の昼って時間作れる? 」


「お昼? 」


「うん、俺休みなんだけどさ、その日の昼にランチできないかと思って。

この間、新車買ったんだけど、その特典としてホテルのランチが選べるんだよ。
ほら、これ。この中から。」


「わー素敵なところばかり。 」


「そうなの?俺詳しくないのよ。こういうところ。
期限が今月末までなんだよね。」


「行きたいところばっかりだよ。」


「幸ちゃんいけるなら一緒にと思って。ダメだったらまあ使わないかな。」


「使わないのー?もったいないよー
ここは前に行った時すごくよかったよ。こっちはないけど、美味しいって聞いたよ。」


「いや、俺一人で行ってもね? 」


「待って。昼よね。
仕事抜け出すでもいい?調整します。

あわよくば半休とか笑」

「いいの?」

「うん。ランチ時間ちょっと遅めでいいかな。調整させてね。」



この日のワインは、とってもおいしかった。
洋平くんは、
「ワイン飲むとくしゃみが出るから」といって飲まなかったので、
いろんな種類のワインをグラスで頼んだ。

くしゃみが出る件については突っ込まなかったけれど、聞いてみればよかったかな。

見栄なのかアレルギーなのか
そんなどうでもいい事が
今となっては一番気になるよ。





「やばい。
どうしていつも時間通りに仕事が終わらないのよ。」


「洋平くんごめんね。
21時には行けるから待っていてください。
良かったら先にお店に入っていてね。」


「待ってるよ」
洋平くんからの返信。

…。

待つことが恐くなってしまった。

気づいたら遅刻が多くなった。

忙しいからという理由だけではない。



RRRR…
ゆうとくん

「ゆうとくん?
もしもし?どうしたの? 」

「仕事早く終わったから、
飲みにいかんかなぁ?と思って。」

「もっと早く言ってよー!
今日デート!しかし遅刻!」

「デート?誰と?」

「その件で相談したいの。今度聞いて。」


「 さーち ? 」

「とりあえず今遅刻でやばいのよ。
急いで向かっているのよ。
もうかなり待たせてるのー」

「俺がいるのにデートか? 」


「そうよ。
そろそろ乗り換えないと!
と思ってさ。
もーそんな冗談言っている場合じゃないの。」

「あはは。ごめん、ごめん。
じゃあデート楽しんで。近々飲もうー」

「うん!着いた。ごめんね。また連絡します。」

「洋平くん!お待たせ!」