えれはのBL小説
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いる勇介を撮影して作品にする。そのために今は静止した物体から撮影する練習をしている。栗原がいろいろとアドバイスしてくれてとても助かっている。彼女は動物を撮るのが好きらしく文化祭には野鳥を撮影して出展したいと言っている。
『この間は勇介にバレないようにしてくれてありがとう』

『新藤くん、とっさにウィンクするんだもん。よっぽど見られたくないんだと思って。』

『下手くそなの見られるの嫌だったし。』

『でも驚いた。教えた事をすごく素直に吸収していく。写真の才能あるんじゃない?』

『そうかなぁ。そろそろサッカー部にまた見学に行ってもいいかな?』

『なんでサッカー部なの?人間の躍動を撮るなら他の運動部でもいいと思うんだけど。』

『そうなんだけど元々サッカー部のマネージャーの子に写真を撮ってくれって持ちかけられたから。』

『そう。じゃあ今日行ってみる?あたしも久しぶりに人物撮ってみたくなっちゃった。いつも動物じゃあね…』と栗原は少し寂しげに笑った。俺はその時は気にも止めていなかったんだが後に栗原の意外な胸中を知る事になる。
それから栗原とサッカー部の見学に行った。城内がいち早く俺達に気付いて寄ってきた。『新藤くん!やっぱり写真撮ってくれるの?あっ…こちらの方は?』

『写真部の先輩で栗原さん。彼女はすごく撮影上手だよ。』
城内は
『そうなんですか~。うちの部員、かっこよく撮って下さい!お願いします。』と栗原にペコッと頭をさげた。
栗原は城内の事を『なるほど元気な子ね』と納得したようだった。確かに教室での城内と部活の時の城内は印象が変わる。部活の時はハツラツとしている。そして勇介がいた。二人一組になってヘディングの練習をしている。単純に痛くねぇのかなぁとなんて思いながらその光景を眺めていた。そんな事を思っているそばで栗原は何枚かシャッターを切っていた。さすがだと思った。俺もヘディングの瞬間は撮影したいとは思ったがボールが頭に当たって離れていく一瞬をとらえるのはとても難しく技術がいる。
『やっぱり栗原さんはすごいな。俺には撮れないですよ。』

『私もここまで撮れるようになったのは最近よ。野鳥の飛び立つ瞬間とか撮りたくて夢中で撮り続けてたら身についたの。』

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『あっ…はい。素人がいきなり人物なんて身のほど知らずなんですけど。』

『なんで全部、同じ人ばかり撮ってるの?』
『えっ?』

『写真に映ってる人みんな同じ人じゃない?』
言われて気付いた。そういえばあの時、勇介ばかりにファインダーを合わせていた。
『よっぽどその人を撮りたかったのね。人物、ましてや動いている人はなかなか上手く撮れないからムキになって連写してしまうものよ。』

『はぁ…そうなんです。難しくて』別にムキになって同じ人物を撮り続けたわけじゃなかった。はなから勇介だけを撮っていたんだ。でもこんなにたくさん勇介だけを撮っていたとは自分でも驚いた。あの時、勇介があんまり無邪気にボールを追いかけて子供のような笑顔を見せるから夢中でシャッターを切っていたんだ。
『彼、いい表情しているわね』そう言われて俺は嬉しくなった。
栗原さんに現像の仕方を一通り教えてもらい一人でもなんとか出来るようになった。そうこうしているとメールが入った。

件名 大丈夫か?
部活終わって保健室行ったら誰もいないし…。もう帰ったのか?


やべ…。俺 勇介になんも言ってないや…。

件名 わりぃm(__)m
今 化学室。体調はすっかりよくなったよ。心配かけてスマン。


それからすぐに勇介が化学室にやってきた。
『も~なにやってんだよ。お前、今日はサッサと帰れよ~。』

『いや、体調はマジでよくなったんだって。部活もでとかなきゃいけないと思って…。あっ…こちら三年の栗原優香さん。こいつ、親友の岡野勇介です。』
『はじめまして…。…この人写真の?』

ヤバっ 俺が勇介ばっか撮影してたのがバレる!俺はトッサに栗原を制止した。栗原は不思議そうな顔をしていたが察してくれたのかそれ以上何も言わなかった。そして更に勇介が『奏、サッカー部に見学にまで来てどんな写真撮ったの』と俺の写真を見ようとしたのでこれも振りきった。
『見せれるようなもん撮れてないからまた今度!な?』

『なんだよ~気になるなぁー』

写真を見たがる勇介をなだめてその日は帰った。

それから放課後は化学室に入り浸る毎日が始まった。毎週火曜日に集まるのなんて俺と栗原さんくらいだった。田中に俺ははめられたのだ。まぁ1回も二学期になるまで部活に出てなかった俺も悪いのだが。俺の作品は決まっていた。サッカーをして

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『思いつめて…。あまり一人で抱え込み過ぎるとよくないわ。話してみなさい。』

そう言われて俺は腹をくくった。

『実は…俺……。』言いたいことは喉まで出かかっているのにやはり躊躇してしまう。そんな俺を中井は怪訝そうに見つめていた。

『そんなに言いにくい事なの?』

『はい…』と言って俺はうつ向いた。

『まぁ…無理に聞き出すのもどうかと思うしね。とにかく話したくなったらいつでも聞くから』と中井はにっこり笑った。

『ありがとうございます』と言ってその場を後にした。せっかく胸のうちを他人に打ち明けるチャンスだったのにとは思ったけど…。仕方ないなと自分に言い聞かせた。
時間はすっかり放課後だった。よく寝たのと話をいつでも聞いてくれると言ってくれた人が現れたおかげでずいぶん気持ちは楽になった。教室に戻って帰ろうとした時、机に引っかかったカメラを見て今日は火曜日だと思い出した。火曜日は写真部の活動日だ。化学室に行ってみる事にした。前に行った時と違って今日はドアはちゃんと開いていた。
『新藤くん。いらっしゃい』田中が迎えてくれた。教室にはもう一人生徒がいた。
『彼女がこないだ話した熱心な三年の部員の栗原優香さんよ。たいていの事は彼女が詳しいから彼女に教わりなさい。』

『はい…。よろしくお願いします。』と挨拶した。
『で、彼は新藤奏くん。一年で今日、初めて部活に出た問題児。初心者だから丁寧に教えてあげて欲しいの』
栗原さんはちらっとこっちを見ただけで何も言わなかった。第1印象で物静かな雰囲気。頭がよさげで眼鏡がよく似合っている。
『じゃあ、先生今から職員会議があるから。よろしくね』と田中はお互いの自己紹介だけ済ませてそそくさと行ってしまった。なんか気まずいな…。とにかくなんかはなさないと…。
『栗原さんは文化祭に何を出展するかもう決まってるんですか?』
『ええ…まぁ』

『そうなんだ。俺は全然で…素人にはどうゆうのがいいのかなぁ?』

『何か撮影してみた?』

『あっ…一応何枚かは撮ってみたんだけど。』その何枚かとはこないだのサッカー部の写真の事だ。

『じゃあ、その写真現像してみる?』と言って準備室の方へ歩いて行くのでついて行った。準備室は暗幕が引かれて真っ暗だった。テレビとかで写真を現像するシーンは見たことがあるがそのままだった。ネガを液体につけてしばらくすると被写体が浮かび上がる。

『これって…サッカー部の人?』

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勇介はちらりと城内の方を見た。無関心を装おっていたけどちゃっかり城内の存在は確認していたみたいだ。そして『内緒』と一言だけ言った。

チェッっと舌打ちして『秘密主義だな』と大地が言った。俺は内緒と言われて安心したが秘密にされてそれはそれで気になった。でもやっぱりデレデレニヤけて城内の好きな所をあげる勇介は見たくない。知りたいけど知りたくない。訳が分からない。自分の中でいろいろ考えて疲れてしまった。

『奏…どうした?こんな話、嫌だった?』勇介がため息をついてしんどそうにしている俺に声をかけてきた。

『ん…なんか俺、気分悪いかも…。』

『マジで?保健室行く?』

『うん…。』なんだかほんとにめまいがしてきた。今さっき食ったものが出てきそうな感じ。
『悪い。俺、保健室行ってくるわ。大地、先生にいっといてくれる?』

『あぁわかったよ。無理すんなよ。』

『ん…』

『俺、ついて行くよ』と勇介が弁当箱をしまいながら立ち上がった。保健室は勇介のクラスのある一階にあった。保健室には誰もいなかった。
『あり?先生いねぇな。勝手にベッド借りるか?』

『うん…。』

『しかし、大丈夫かぁ?』

『うん…。』俺はベッドに横になった。勇介が心配そうに覗き込む。

『大丈夫。少し眠るよ。勇介は教室にもう戻って』そう言うと俺は目を閉じ眠りに落ちて行った。そういえばここ最近勇介の事を考えて毎晩よく寝てなかった。


小一時間ほど寝ただろうか目が覚めた。まだ授業中のようで静かだった。
『目が覚めた?体調はどう?』
養護教諭の中井が声をかけた。

『あ…はい。だいぶんよくなりました。ベッド勝手に使ってすいません。』

『いいのよ。そんな事。それよりあなた、よっぽど疲れていたのね。すごくよく眠っていたのよ。勉強のしすぎ?』

『いえ…少し考えごとが多くて…。眠れない毎日が続いていて…。』

『そう…それはよくないわね。心配事や悩み事があるなら相談に乗るわよ。』

悩み相談か…。話を聞いて欲しいのは山々だけど…言えないよな…。勇介の事は好きだと自覚した時からずっと俺の中で誰にも言えない秘密として重く重くのしかかっていた。誰かに聞いてもらえば少しは苦しみも楽になるのかもしれない。先生なら他人に口外はしないだろう。だけど嫌悪感を抱かれるかもしれない。どっちにしろ良い印象は持たれないだろう。


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二人の時間に割って入られるのも嫌だった。しかし勇介は俺の意見も聞かずに『いいよ。たまには三人で飯食うか』と大地を仲間に入れてしまった。
でも勇介は秘密の屋上には行かず俺の席の近くに机を並べ始めた。そして俺に目で合図を送ってきた。今日は教室で食べようって意味だ。俺は二人の秘密の屋上を知られたくない気持ちが勇介も同じだと察知してすごく嬉しかった。大地は『ここで食うの?』と少し不満げだったけど。教室で昼休みを過ごすのは久しぶりだった。結構、教室で昼飯食ってる奴多いんだな~とか新鮮だった。だいたいは教室か食堂とか決まっているのだろう。大地は女がいるときはよく中庭で女と食べていた。勇介が大地に『今日は女の子と飯食わなくていいんですか~?』と今、大地がフリーなのを知っててわざと声をかけた。

『うるせぇよ。こんな時もあっていいだろ~』と大地がふくれる。まぁこんな日もたまにはいいかと本当に思った。ふと大地の向こう側に城内の姿が見えた。女子数名と机を並べて飯を食っている。俺は勇介にちらりと目をやった。勇介は携帯でテトリスをしていた。同じ空間に好きな女がいるのに普段と変わりない勇介。普通、ちょっとでも見たりするもんじゃないのかな?別に部活中に見れるからいいのか?わからない事が多いなとため息をついて天井を見上げた。すると大地が『たまには教室で飯もいいだろ?』と言ってきた。

俺が『ああ』と答えると大地は『城内がいるもんな』と言ってきた。すると勇介が『城内が何?』と俺と大地に聞いてくる。『別になんでもないよ』といいかけた時、大地が『なんか奏、やたら城内を気にかけてるんだよ』と言ってしまった。
余計な事をゆうなと思った。
『やっぱり奏って城内が好きなんだ…』

『違うって!勇介が城内好きだから探ってるだけだよ!』

『ほんとに?』

『ああ』

『そっか。勇介が城内好きなんだよな。なんか忘れてたわ』と大地が言った。

『そうだよ。勇介が城内を好きなんだよ。俺は好きな女なんかいない。』

『てゆーか勇介って城内の事好きとか言ってるけど部活でもちゃんと話したりしてるとこ見た事ねーから…。ほんとに好きなのかよ?って感じ。』

へぇ…部活でもほんとにそんな感じなんだ。それなら大地の疑問もわかる。

『好きだよ。ちゃんと』

『じゃあ城内のどうゆうとこが一番好き?』
うわっ…聞きたくない。勇介の口からそんな事…。

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そして観察しているうちにある事に気付いた。それは城内がよく大地を見ているとゆうこと。もしかして城内の好きなサッカー部の男って大地なんじゃ…?と思った。他の男子とはなしている時と大地とはなしている時は微妙に顔の表情が違う気がする。あと声のトーンも高い。ほんとに微妙だがなんか違うのだ。城内がもし大地を好きなら勇介は俺が独り占め出来るかもしれない。大地が城内を好きなら二人は両思いとゆう事になる。二人が両思いの可能性はあるだろうか?そういえば大地は今はフリーだ。どうにか二人がくっついてくれたら…。自分に都合のいい可能性ばかり考えていた。でも城内が大地を異性として好意を抱いているのは確実だと思う。興味のない奴をあんなに見つめたりはしないだろう。
俺は大地にそれとなく聞いてみた。

『なぁ、お前って最近どうよ?』

『何?どうって?女の事?』さすが話が早い男だ。切り出す手間が省けた。

『そう。いるの?気になる奴。』

『珍しいな。奏が俺の恋愛事情に興味示すなんて。』お前には興味ねぇよ。勇介と俺のためだと内心思いながら大地の答えを待った。

『う~ん…まぁ可愛いなと思う奴はいるけど…。なんとなく今は女はいいやって感じかな』モテる男の言う台詞だなぁとは思うが俺の知りたい情報ではない。
『じゃあ、その可愛いと思う女はこのクラスにいる?』

『このクラスならダントツで城内だろ。』ビンゴ!と思った。でもあくまでこのクラスで可愛い女って意味のようだ。

『城内ってサッカー部内に好きな奴いるみたいなんだけどお前、心当たりある?』

『てか、なんで俺の話から城内の話しになるの?やっぱり城内が好きなの?奏ちゃんは?』うざい…。ほんとにうざすぎる。なんでこんな男がモテるのか不思議だ。

『ちげーよ。ちょっと城内の好きな奴が知りたいんだよ。』

『だからなんでよ?』
駄目だ。会話が成立しない。疲れてきた。とりあえずコイツは城内がもし告白したら付き合うだろうことはわかったので『もういい』とやや強引に話を終わらせようとしたら

『じゃあ城内の好きな奴さぐっといてやるよ』と大地が言った。

昼休みが来て勇介が迎えにきた。
『奏~飯行こうぜ!』
その声に反応して大地がやってきた。

『お前らいつもどこで飯食ってんの?俺も一緒に食っていい?』

俺は二人の秘密の居場所を知られるのが嫌だった。

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俺は内心ギクリとしながら
『さぁ?いつもの気まぐれなんじゃねぇの?俺にもわかんねぇよ』ととぼけてみた。
アキちゃんとの事は墓場まで持っていかないと。
ご飯を食べてから格闘系のゲームをした。久しぶりな勇介と二人の時間。
勇介はサッカーゲームに最近、こっているらしい。俺はやり方がわからないので隣で見ていた。

『勇介、ホントにサッカー好きなんだな。』高校生になってからこの部屋に来て変わったなと思ったのは部屋に以前にはなかったサッカー選手のポスターやどこかのチームのロゴのポスターなどが張ってある事。

『サッカーは俺の青春だから』と勇介は笑った。

『奏こそ写真部どうよ?今日、田中に呼び出しくらったんだろ?なんだったの?』

『文化祭までになんでもいいから作品提出しろってそんで城内に写真の事話したらサッカー部の部員撮らないか?って』

『城内が部員撮れって言ったの?』

『うん。なんかサッカー部の中に好きな奴いるみたいよ?』

『マジで?!』勇介がでかい声をあげた。
俺は勇介のその反応にイラつきを感じた。城内の好きな男が自分かもしれないと思って出た反応…。勇介が城内を好きな事は知っている。でも気に入らない。どうしたらいいんだ。俺の気持ちとは裏腹に勇介が聞いてきた。
『城内が俺の事好きな確率ってあんのかな?どう思う?奏?』

『さぁ…。俺は勇介と城内がどのくらい仲いいのかとかわかんないしなんとも言えないよ。』

『でもあんまりしゃべんないんよね…。なんか何話したらいいかわからない感じ?』

『ふ~ん。なんでもいいんじゃん?会話なんて。城内ってなつこいし』なんで俺が勇介の恋愛相談みたいなことしてんだろと思った。でも城内と勇介はそんなに心配するほどの仲ではないことはわかった。大きな収穫だ。

次の日から教室で城内をよく気にして見るようになった。だけど城内を見ているのではなく城内の向こう側の勇介を想っていた。

高校生っていうだけで大人の女の気がしていた。意地悪をされると腹がたつけど俺がガキだからいたしかたない感じもあった。勇介はいつもそんな俺たちに無関心だったけど。 そんな事を考えているうちに晶は俺のズボンのチャックをおろし始めた。手慣れている。経験は豊富だろう。晶の手が俺の大事なところに直接触れた時、なんとも言えない気持ちになった。上下にスライドしはじめた頃には蜜が溢れてきた。
『奏、気持ちいい?いっぱい濡れてきたね。綺麗にしてあげる』

そういった瞬間、俺のを口に頬張った。俺は初めて受ける感覚にたまらず声をあげてしまった。
『うあっ…あっ…アキちゃん…』

『何??言って?』

『…っ、気持ちい…もっと…して』
そう伝えると了解したらしく急に激しくなった。唇で包みこみ舌を上手く絡めて出し入れした。それだけでもう限界が近い。

『あっ…っ アキちゃん出そう…』

俺がイキそうになった時に勇介が帰ってきた。おかげで俺は正気を取り戻した。仕方ない事だが俺がイカなかった事がアキちゃんには不満だったみたいだ。こんな事があってから俺は岡野家にお邪魔する機会を減らしていった。俺が岡野家に行かなければアキちゃんに会うことは避けられた。一つだけアキちゃんが俺の事を好きだと言った真意について引っかかっていたがそれも後に勇介との何気ない会話で解明された。
あの頃アキちゃんは彼氏に一方的に別れを告げられ自暴自棄になっていたらしい。だから誰でも良かったんだろう。アキちゃんが俺に特別な感情など持ち合わせてはいない。その証拠にあの一件が起きてから次に顔を合わせた時に出た一言がこれだったからである。

『鼻血~!!元気?!』

アキちゃんとの事を思い出してフッと笑ってしまった。
あれから女とゆう生き物がよくわからない。興味もないけど。
俺は勇介が好きだから。
でも…こんな気持ち勇介には絶対言えない。嫌われるに違いない。俺が女だったら堂々と気持ちを伝える事が出来るのだろうか?…愛されたい。伝えてみたい。でも伝えて拒絶されるくらいなら今のままの方が側にいられていいのかな…。
性別が同じとゆうだけで想いを伝える事すら出来ないもどかしさに俺はやるせなさを感じていた。

『姉ちゃんといえばさ、しばらく奏の事を鼻血って呼んでた時期あったじゃん?あれなんだったんだろな』
肉じゃがを食べながら勇介が言う。

晶が横暴なのは今に始まった事じゃない…けど どうしよう…言う通りにすべきか?今日の晶はいつもと違う気がした。
『アキちゃん、鍵閉めたよ。だから服着て?俺、目つぶってるから』

『駄目。こっちに来て。』

『どうしたの?からかてるの?』俺は明らかにいつもと違う晶に戸惑っていた…。その…バスタオル一枚と密室に二人っきり。こんな事が起こるなんて。

『奏をからかうの楽しい。動揺して馬鹿みたい。』晶は奏にそう言いはなった。

ナニソレ…その言葉に俺はキレた。日頃の恨みも手伝って晶に詰め寄った。

『お前、何考えてんだよ?何がしたいんだよ?!いつも馬鹿にしやがって!』
俺が大きな声を出して驚いたのか泣きながら晶は振り返りこう言った。

『だって奏の事が好きなんだもん!こうでもしないと気づいてくれないでしょ?』

はぁ?はい?!なんで!?晶が俺を?…俺の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。俺が理解不能になって呆然としている隙に晶は抱きついてきた。俺は足に力が入ってなかったから簡単に仰向けに倒れてしまった。晶のバスタオルははだけ俺は生まれて初めて女の人の裸を間近で見た。雑誌でもビデオでもない生の裸を前に不覚にも鼻血が出た。その瞬間、晶はケラケラと笑いこう言った。

『鼻血だすなんて…ふいたげるよ。』

俺は返す言葉もなく晶に鼻血をふいてもらった。もうなんだかなんでもいいやとゆう気分。

『奏、こんなの初めて?触ってもいいんだよ?』
そう言って俺の手を自分で胸に持っていった。晶の胸は想像以上に大きくて柔らかかった。もう理性は飛んだ。俺は起き上がり今度は晶を押し倒した。

『アキちゃん、ホントにいいの?』

『奏の好きにして…』許可を得たので俺は今まで想像の世界でとどまっていたことを実行に移す。欲望のままに…。
俺は少し震えていた。深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。好きにしてと言われてもどうしたらいいかわからない。何をどうすればいいのか。沈黙の時間が流れて晶が言った。
『奏、初めてなんでしょう?私がしてあげる』
晶が俺の大事なところに手をのばした。
『ちょっ…やめ…』

『いいから…』

俺のそこはもうかたくなっていた。

『奏のおっきくなってる。あたしの裸見てこんなになったの?』
晶は嬉しそうだ。俺は恥ずかしくて黙っていた。実は…何回か晶を自慰行為の対象にした事があった。当時、これといって好きな女もいなかったし身近な女は晶だけだった。

『いんや。あんま興味ない。吸うの?どうりでヤニ臭い部屋になってると思ったよ。』

『吸ってもいい?』

『あぁ…いいけど。勇介、いつからタバコ吸ってんの?』

『奏がうちに来なくなってから。興味本意で先輩や大地に勧められてさ。こんなハマると思わなかったよ。なるべく家にいる時だけ吸うように気をつけてるんだけど』
なるほど火をつける仕草や煙を吐き出して遠くを見つめる仕草が様になっている。
俺が来なくなってから?それは何か意味あるのか。
俺が勇介の家に行かなくなったのはおばさん達に迷惑や心配かけたくないって思ったのもあるけどアキちゃんとあんな事になったから行けなくなったんだ。

部屋主、勇介が不在でも勝手に部屋にあがっていてもいいとゆうくらい俺は岡野家の人間から信用を得ていた。その日も帰りが遅くなるけど待っててと言われたので勇介の部屋に行った。家にあがりこむといつもはおばさんが『おかえり~』と迎えてくれるけどその日はそれがなかった。
勇介の部屋に入っていつものようにテレビをつけて勇介の帰りを待った。読みかけの漫画を読んだりして。 そしたら裸にバスタオル一枚のアキちゃんが部屋に入ってきた。

『うわぁ…ごめんなさい!!風呂入ってたの!?着替えて!着替えて!俺、外出るわ』
俺はカッコ悪いくらい動揺していた。部屋の外に出て玄関に目をやるとそこには晶の靴があった。気づくべきだった。俺は晶が苦手で二人になると何を話せばいいかわからないからとにかく誰か早く帰って来てと願った。晶は俺をからかう事を生き甲斐としているような所がある。岡野家の中でもどうしても攻略出来ない人物だ。嫌だな…何を言われるだろう…。怖い。帰りたい。でも勇介まだだし…そうこうしているうちに15分はたっただろうか?
『あっ…アキちゃん?着替え終わった?ごめんね。てか…ごめんなさい。風呂入ってるなんて思わなくて…その…』
応答がない。そんなに俺に見られてショックだったのかなぁ…。消します。アキちゃんのさっきの姿 脳内から抹消するからなんか言って…。

『奏…』

『はいっ』

『もう着替えたから入ってきな』お許しが出たので
『さっきはごめんね~』とわざとらしく元気に部屋に入ったら晶はまだバスタオル一枚の姿でこっちに背を向け体育座りしていた。
『奏、部屋のドアに鍵かけてこっちに来て』
『なんで!?どうしたの…?』訳がわからない。
『いいから!あたしの言うことが聞けないの!?』