翌朝、目覚めると完全にうつ状態になっていました。


一番辛かったのは、時間が経たないことです。1分が何十分にも感じます。


おまけに右腕には永久に続く点滴を刺され、数十分毎に骨折が治りきっていない左手の、痛い所に血圧計を巻かれ、圧迫されました。


トイレに行く時は、点滴を止めて袋を右手で持ち、まだ上手く曲がらない左手で全てしなければなりません。かなり辛かったです。


その時も、トイレのため点滴袋を持って立っていました。突然、自分の携帯の着信音がなり、誰もいないので自分で出ました。


父親からでした。「今からそっちに迎えに行くから!すぐに飛行機に乗らなあかんから!とにかく向かうから!」それだけを一方的に言われ、電話は切れました。


この電話で、私は完全にパニックに陥ります。父は今どこにいるのか?何時の便でくるのか?この病院へはどうやって来るのか?情報が足りなさすぎる電話に、父親の事が心配になり、オロオロしていました。


そこへ友達が来て、父親からの電話の内容を伝えると、あとはこっちで何とかするから、落ち着いて休んどき。と言ってくれました。


友達はHISのスタッフや私の自宅などに電話して、父が乗ってきそうな便名を割り出し、バリ島の空港までHISのスタッフが迎えに行くように手配してくれたそうです。


こうして到着時間も分からない中、何とか空港でスタッフが父を捕まえて、病院まで連れてきてくれました。


父が来た時、私はうつ状態からイライラが止まらず、点滴を片手に病院内をウロウロしていました。


父の顔を見て、少しホッとしましたが、うつ状態がひどく、どうしよう、どうしよう、ばかり言っていました。


父はスタッフが出してくれた紅茶をいただきながら、これまでの経緯を聞いたそうです。


さて、私は無事、日本に帰れるのでしょうか?


つづく