20年前の冬、それは突然始まりました。
朝、目が覚めると何もかもが分からなくなっていました。頭の線が抜けてしまった感じ・・・
どう表現したら理解してもらえるのか?
言葉は悪いですが“廃人”になってしまった。
自分でもそれだけが分かって、思いました。
ああ、私の人生はもう終わりだ。と。
思い出すまたは想像してみて下さい。
20年前、うつ病という病気はありふれていましたか?
いいへ。まだほとんど知られていない、当事者とその家族しか知らないし、人にも話せない。
そんな時代です。
私自身も、家族も、うつ病を知りませんでした。
なぜ急に何も分からなくなったのか?
なぜ今までたやすく出来ていた事が何一つ出来なくなったのか?
誰もその答えを見つけられませんでした。
あまりにも訳が分からないので、泣くことすら出来ません。ただ、ただ戸惑うばかりでした。
親からは、なんでせなあかんことをしないんや!
と、頬を平手打ちされました。
生まれて初めて父親に叩かれました。
母親は私を無理にでも動かそうと、着替えを手伝い、トイレ掃除をさせようとしました。
でも、出来ない。身体が動かない訳じゃない、頭、脳が思考回路を閉ざしてしまったんです。
その日から、うつ病だと診断され、何もしなくていいんだよ。と言ってもらえるまでに約1ヶ月かかりました。
内科、神経内科、と医者をたらい回しにされ、間違った診断に心を傷つけられながら、やっとのことで、心療内科を見つけました。
心療内科の先生に、「うつ病です。何もしなくていいよ、治る病気だから」と言ってもらえた時の気持ちは今でも忘れません。
堰を切ったように涙が溢れてきました。
暗い内容になりましたが、うつ病の人にはそうそう!と共感してもらえるはずです。
今は、同じ様な状況になれば周りの誰かがうつなんじゃない?と軽くアドバイス出来る時代になりました。
いい時代になりましたね
これからも懲りずに読んでもらえると嬉しいです
明るい話、暗い話、織り交ぜて書いていきます。