認知症だからといって、
新しい事がまったく覚えられないのではありません。



もちろん、認知症の原因疾患や
進行度合いにより違いますが、

何度も繰り返すことや、
特に感情が伴う記憶は覚えていられるようです。


感情と記憶は、脳の違う場所ではたらくので、
認知症が進行しほとんど記憶できなくなっても、

嬉しい、楽しい、悲しい、怖い
などの原始的な感情はもちろんあります。


逆に大脳の理性の部分から委縮して手放していくので、

脳幹の感情の部分がむき出しになっているのが
認知症の脳だと言えると思います。



これが、認知症の人に怒ってはいけない
と言われる理由のひとつで、

怒られた恐怖は、
感情がむき出しの脳にはダメージが強く、

その恐怖が解消されないと
いつまでも恐怖を引きずり、

恐怖という感情が伴っているので、
その記憶が残ります。



でも、怒らないなんてことは
認知症さんと生活している家族には無理な事で、

家族のストレスが、より生活の質を悪くしかねません。



私がおすすめしているのは、

怒ってしまったあとに、
何か楽しい話題などで気分を変えることです。


怒ったあとで、家族もすぐに
気分は変えられないでしょうが、

少し時間をおいたり、距離をおいたあとで、

本人の好きな物や、
好きな話題で、

『嬉しい、楽しい』に気分を
リセットしてあげるのです。



幸い記憶が続かないので、効果的な場合が多いです。



もちろん、人によるので、
全員に当てはまる訳ではありませんが、

特にアルツハイマー型認知症の方には
効果があると思います。