キングスのオフェンスの話。
現時点でキングスのオフェンス効率は超バランスが悪い。2Pは59.3%で2位、3Pは30.7%で29位。ここまでの期待値の差はここ10年で見てもないダントツの極端さ。
これが続くとどうなるという予想がつくかといえば相手チームは3Pを打たせてインサイドを守るというディフェンスをやってくる事が多くなる。そうすると2Pに悪影響が出てきて共倒れになってオフェンス自体が機能しなくなる。
ではどうしたら良いのか。まずは単なる希望的観測で言えば現代GSWの初優勝以降の3P時代において各シーズンのリーグ最低の3P%は大体32%~33%あたり。要は今の30.7%は現代バスケで過去に例を見ない年間の確率なので流石にもう少し上がるということ。特にキングスは別に3Pが下手なチームではない。元々はリーグ平均のチームでそのメンバーはずっと変わっていないし衰えてる訳でもない。
もうひとつは積極的に3Pの改善に取り組むこと。やり方は色々あるが例えばコーナースリーを増やすとか。キングスのコーナースリーは41.6%でリーグ10位と悪くない。そして本数は8.6本で平均やや下くらい。ここの比率を増やすと確率は上がる。比率は25.7%で4回に1回がコーナースリーだ。リーグ1位は31.7%がコーナースリーなのでキングスは33%を目指したい。そうすると11本のコーナースリーになる。するとトータルの3P%は32.4%で期待値は0.97となる。これだけで1試合平均1.7点増える。要はざっくり言えばコーナースリーを3本増やして他の3Pを減らせばそれだけで2点くらい得点は増える。意識的にやれば3本なら増やすのは可能だろうと思う。
コーナースリーの確率が高いのはエリス41.7%とちゃま50%とデロ山50%とドマス100%ともんちゃん50%あたり。この中で増やしやすいのはちゃまとエリス、次にもんちゃんか。ちゃまは元々今年はキングスに来てから最高のコーナースリー比率で1/4でコーナースリーを打ってる。これを半分の2/4にするとこれだけで1.4本コーナースリーは増える。あとはエリスともんちゃんを中心に他のコーナースリー比率をほんの少し上げればトータル3本のコーナースリーを増やせる。
これで32.4%つまり現代の最低ラインには到達出来る。勿論最低ラインなのでここで満足はしてはいけないと思う。あくまでもこれはコーナースリーを増やしただけで現実的に到達可能性の高い話。本来は確率が27%しかないコーナー以外の3Pの方が改善しやすくはある。でもキングスの試合を観てると別に改善策って思いあたらないのよね。だって単にオープンを外してるだけだから。要は身も蓋もない話だが入るようになるのを待つしかない。でもそれだけだと余りにも無策なのでコーナースリーを増やしたらどうなん？って事を考えるのがコーチのやることだ。
仮にコーナースリー以外の確率が多少なりともマシになればコーナースリー作戦と含めて平均には届くはず。こんなのは机上の計算に過ぎないがなんでもそれが必要だ。それを元に実際にやっていくしかない。なんの根拠も無しに行き当たりばったりでやると歯止めがない。もしやって駄目なら駄目だったと直ぐにわかるのはキチンと数字やデータを元に試算してるからだ。
自分からみるとキングスはほんとに勿体無い状態に感じる。3PAの平均は33.3だが40以上と極端に多く打った2試合を接戦で落としている。実際にこの2試合は3PAが平均的なら勝ててたのだ。要は3Pを多投することで自滅してるのだ。これは結果論ではない。元々言っていた事だしわかっていた事を繰り返している。
マイクブラウンは前回のクリッパーズ戦の敗戦の後で「相手がアウトサイドを空けてインサイドを固めたのにシュートしなかった。3Pを40本くらい打つべきだった」と。果たしてこれが正しいのか？過去2試合の接戦でそれをやって負けているのに？クリッパーズ戦の2Pは65%で3Pは11%だったのに？
3PAを増やす事を目的化してはいけない。目的は2Pも3PもFTも含めてオフェンス効率を高めることにある。勿論マイクブラウンは馬鹿ではない優秀なコーチなので3PAを増やせば単に効率が上がるとは考えてないと思う。だったら効率を上げる為に何かをするはずだ。何もしないのは別にコーチがいなくても良いとなる。何もしなくても改善するという最初にいった希望的観測もある。あるがその根拠に乏しい消極性よりは自分なら積極的に改善する方法を取って欲しい。
これ根本的に自分の中でキングスは転換期にいると思ってるからこそ思う部分が大きい。よーく思い出して欲しいちゃまの3Pが好調だったのって一昨年の最初の2ヶ月程度でそれ以降は少なくとも確率的には平均的なシューターだし、きーちゃんも昨年は年間を通して平均的かそれ以下のシューターで今年はそれを更に下回っている。
たった数ヶ月の幻想に囚われていては進歩はない。自分からするとキングスは一貫して2Pが最大の武器のチームだ。ずっとフォックスとドマスの安定したインサイドが基本にあるからこのコンビで勝ち越していけている。今年はデロ山が入って更にそのい2Pの強さに磨きをかけてFTも強さも手に入れた。FTとリムアタックの相関性は誰しも理解していることでより2P最強論を加速させる。そもそもがここ3シーズンはリーグの2P%が上昇していてリーグ平均の2Pと3Pの期待値は同等なのだ。3Pを数撃ちゃ当たるなんていう期待値押し付け作戦は18-19シーズンくらいの古くさい作戦でしかない。そしてそもそもが3PAと勝率に相関性もない。有るのは3Pの確率と勝率にだ。
ということで3P多投論が未だ抜けない人も多い感じはあるしもしかするとマイクブラウンもそうかもしれない。なんにせよ結果でみて判断するしかないしそういう世界でもある。自分的に現状のキングスの改善案を言ってみたという話。少なくとも根拠はある。正しい正しくないではなくひとつの考え方としての話。