前職と同じ業界で、1からスタートした坊は
すごく殺気だっていました。

自分の今までの実績とかキャリアとか
全くなかったことにして
1からのスタートをして、
自分より知識のない人に仕事を教わり、
本当に頑張ってだと思う。

履歴書をみた上の人だけは、
やめた理由も知っていて受け入れてくれたので
仕事でこの恩は返していく。

と、本当に頑張っていました。

その頃から、坊のまた違う顔が現れ始めました。

女なんか
女だてらに
女なんやけ

やたら男尊女卑発言が増えてきました。

仕事に没頭するのと反比例のように
みっちゃんとは会わなくなりました。

みっちゃんには、別の人が出来たようでした。

坊は、色んな意味で1からのスタートでした。
本当に頑張ってたので、
友だちとして応援しました。
母としてサポートしました。
姉として話を聞きました。

帰ってきてくれた
とかいう、感情は全くなかった。


坊は、人が変わってしまったから。
仕事の鬱憤を晴らすように
私が至らないことがあるとことあるごとに

女のくせにそんなんも
出来んのか

はいはい。昔聞いた事あるフレーズ。

こめんなさい。
次はないようにします。
疲れてるのにごめんね。

毎日のこと。
本心か落ち着かせるためか
分からなくなり、当たり前になりました。

まだ赤ちゃんだったtenを連れて
迎えに行くと、事務員さんが出てきてくれて
色々声をかけてくれるようになりました。

ヨウコさんと決別したことで失ったかわりに
出会った職場は新しい坊の人格を
作り出しました。

坊は、とにかくイライラするか落ち込むか。

それでも救われたのは、帰ってくるのが
当たり前になったから。

そして私は完璧な兼業主婦をすることに
なりました。

一切の手抜きも許されません。
家では穏やかに過ごしてほしい。
でも、私のミスや気遣いの足りなさで
坊のリミッターを振り切らせてしまう。
疲れさせるから、ダメ!
ちゃんとしなきゃ。気を抜くな。

幸い、tenには惜しみない絶え間ない愛情を
抱いてくれていたので私が家事をする間、
tenのことは、よくお世話してくれてました。