元日に届かなかった年賀状。
相当なエネルギーを費やして制作した去年の年賀状。
おかげさまで届いた人の心に少なからずの爪痕を残すことができました。
次の年賀状はあれを超えたクオリティじゃないと世間は納得しないだろう、という
不毛なプレッシャーをかかえて過ごした2016年。
これといったアイディアはいつまでたっても浮かばず、もう2017年の年賀状は出さずに知らんぷりしとこうと考えてた。
ところが2016年12月、
嫁がせっせとなんかのキャンペーンの応募用紙に書き込んでいるのを眺めていた時のこと。
天空から一筋の光がスゥーと差し込み神の声がはっきりと聞こえたのです。
「道は開かれました。さあ年賀状を書くのです。ハーレールーヤー」
脳内でアイディアがビッグバンのごとく膨らみ爆発した。
さっさと言えば応募用紙のパロディ閃いた、ということです。
思い立ったが吉日。すぐさま近所のスーパーからありとあらゆる応募用紙を引っこ抜いて持ち帰り、それらを参考に沸き立つアイディアをブラッシュアップさせた。
ヘボいラフ画ながらも徐々に固まるイメージ。
唐突に応募用紙を送りつけるのはあまりにも乱暴だから
せめて酉年にちなんだネタにしよう、という異常と正常の綱渡り。
応募には応募シールが必要だろうと考え色々デザインしてみた結果、
2色もしくは3色刷りがマジっぽくなることがわかった。
結局あれだ、リポDのパクりだ。
思い描くイメージを少しずつ彫り起こす仏師のように自分を追い込み作り上げた高尚な年賀状がコチラです。
↓
嗚呼、自分の才能が怖い。
このスキル、実生活にまったく活かせてないのが怖い。
鳥づくし。
マジかギャグかのスレスレのラインがぼくの持ち味。
ゆえにマジの方だと思われ完全にすべることも多々あります。
一応言っておきますが内容は全部でっち上げです。
低脂肪コースのサイモンとガーファンクルのジャケ画像ですが
著作権こわいのでブログではモザイクかけました。
この低脂肪コース、自分で作っておきながら
あまりの意味のわからなさに死ぬほど笑いました。
応募用紙特有の穴、はがきに開けていいものかと相当悩んだ。
色々調べたところ8mm以内の穴ならOKとのことだったので
なら開けるしかないだろう。
ササミで味わうゲシュタルト崩壊。
この応募シール、印刷じゃないです。
一枚一枚本当のシールです。
ネットで発注かけました。
自宅不在のことが多いぼくは完成品の送付先を勤務先に指定しておいたんだけど、
たまたまぼくが休みの日に会社に届き、会社への販促物だと勘違いした新人社員が開封してしまったらしく社内騒然となった模様。
次の日出勤したぼくのデスクの上に明らかに開封済みの梱包材。
ひょっとして開けた?と聞いたら「開けた」とのこと。見た?と聞いたら「見た」とのこと。「すみません」と謝られたが返す言葉が見当たらず、「いいよ・・・」と言うのが精一杯なぼく(店長)でした。
こうやって一枚一枚手で貼ってます。
人間が手で貼った、という温もりを伝えるためわざと傾き・ズレを意識して貼ります。
職人気質。
シール角、何かから剥がしたであろう爪跡も残す始末。
気持ち悪い。
宛名面も完全にそれ。
自宅を勝手に養鶏場にされる気分はどうだい?
頭の悪そうな字は演出なのか地なのかは想像にゆだねます。
これはいいのが出来たと自分の仕事っぷりに満足し
初笑いはこのオレがかっさらうぜ!と
意気揚々、年賀状を投函してやった。
が、緊急事態発生。
なんと、本物の応募用紙と思われたのか郵便局が年賀状扱いしてくれず
2016年内に届いてしまう事案が発生!
なんでだよ!そうだよ、年賀状だよ!
全国各地から続々と年賀状らしきものが届いたという報告が入る。
「年賀」が消されて消印押されてる!こんなことってあるの!?
もれなく2016年内に届いたご様子。ひゃはー!
「ははは、面白いでしょ、それ来年の年賀状なの(泣)」
という情けない説明を何人にしたことか。
壮絶なフライングBOY。
来年の年賀状が年内に届いてしまう気分はどうだい?
はい、死ぬほど恥ずかしいです。
郵便局に対する怒りは無いです。炎上とか望んでません。むしろすんません。
多分1月1日消印有効とか書いたもんだからちゃんと消印押してくれたんだと思う。
混乱させてごめんなさい。悪いのはこのぼくです。
でも「※本商品はジョークグッズです」みたいな生ぬるいものは作りたくなかったんです!
いろいろあったが届いたみんなからの評判も上々。
ありがとう、君たち、ありがとう。
送った人の家族にウケる、というのもかなりうれしい。
贔屓目なしの評価だから。
今更ながらそもそも年賀状ってなんだという疑問が湧いてくるんだけど、
みんなに笑いが届いたなら少なからず「正解」なんだと思う。
でも年末に届くのは完全に「反則」だろう。
もはや去年だか今年だか来年だかよくわからないけど
とにかくよろしくお願いいたします。