今日の言葉
「成功は気分である」
宗 文洲さんをご存知でしょうか?NHKの「カンゴロンゴ」という番組に出ておられました。その他、いろいろコンサルタントをされてたり、執筆活動をしたりと今売れっ子の方です。その方のメーリングリストで最近送られてきたメールをご紹介いたします。
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1.論長論短 No.113
宋 文洲
「成功」という言葉は人生や企業に使われるとろくなことはありません。この私でさえ「成功者」だと言われたことがあります。しかし、それは現実的に殆ど「終わっている」、「そこまで」というような意味合いです。
人間は誰もが成功したいのです。しかし、多くの場合はその中身について曖昧な憧れに過ぎません。「なぜ成功したいか」と聞かれると「変なことを聞くなよ。成功したいからだ」と内心でつぶやいてしまいます。「なぜ山に登りたいか」の問いに「山があるから」と登山家が堂々と答えたように。
しかし、不思議に自らの人生が成功したと思う人は殆ど居ないのです。巨万の富を持っている友人もいれば、著名なアーティストやスポーツ選手の友人もいます。私よりはるかに「成功」しているのですが、私よりも悩み深く、人生として読者の皆様より不幸な場合も多いのです。
「こんなことを言って貧乏な、そして無名な私を慰めているでしょう」と思う方もいるかもしれませんが、事実として「成功者と思われる人ほど人生に成功していない」という、不思議な現象があるのです。
企業も似たところがあります。トヨタ自動車が1兆円も利益を出すようになったのはつい2、3年前のことです。衰退している家電や精密機器を横目にトヨタの快進撃が多くの人々に賞賛されました。次は「世界一だ」と、関係が無いのに力が入る人々も多かったと思います。
日本という国はどうでしょうか。25年前に札幌に行った時によく聞きました。「戦後日本は教育を大切にしたから経済で成功した」、「日本人が勤勉だから経済発展を成し遂げた」など、多くの人々は今とちょうど逆の評価を同じ戦後についてしていました。
そして今、日本が経済で成功したと考える人は何人居るでしょうか。トヨタを成功モデルとして語る人がどれほどいるでしょうか。
「日本が米国の国債を売ったら米国は崩壊する。優秀な部品製造をやめたらスペースシャトルも飛べない。日本がノーをいえば世界が困る」と豪語した石原知事がネーミングした新党は何と「たちあがれ日本」というのです。「えっ、日本はいつ倒れたの」。これが党名を聞いた時の私の素直な疑問でした。
トヨタの実態は3年前と大して変化していないと思います。日本も20年前からそれほど悪くなっているとは思いません。「成功」があるとすれば、それは単なるその時々の気分にすぎないと思います。
70代の日本人先輩に敗戦後の気分を聞くと多くの人々は「晴れた気持ちでした。希望を持っていた」というのです。国家の統治権まで外国に委ねる国家は見事な「失敗」のはずです。しかし、日本人は明るくなりそこから「成功」を始めたのです。
「失敗は成功の母」という言い方があるのですが、なぜ「成功は・・・」がないでしょうか。成功の先に人生も企業も国家も続くのに何の描写もないのがおかしいと感じ、「成功は気分である」と思い付きました。
(終わり)
今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
https://krs.bz/softbrain/c?c=120&m=75926&v=7e4c95ba
さあ、どうでしたでしょうか?「論長論短」というメーリングリストのメールですが、中国人の方(日本に留学し、起業して成功されています。)で、視点というか、見方がちょっと変わっていて面白い方だなあと思っています。
天羽英雄 建築設計事務所
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