■ナチスに利用されたシェイファー■~とんでもないはみ出し者~ | ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬

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”なんの浮世は三文五里よ。ぶんとへのなるほどやってみよ。”
乙女姉やの失意の手紙への返信に記した、龍馬のポジティブ思考が表れている言葉
”くよくよせずに前向きに行こう”と勇気づけられる。
同様にドラッカーの言葉も、時代を超えて様々な示唆に溢れています。

おはようございます。

明るい陽射しの高知の朝です。
早いもので今日から6月、
梅雨、台風、猛暑の季節に移ろいます。

土曜日、良い週末をお過ごし下さい。
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シェイファーは、
ナチスも『ベルリナー・ターゲブラット』も、
自分のような人材を必要としているはずだ、
とした。


さらに、
何かと相談相手になってくれている人物が、
『ベルリナー・ターゲブラット』の記者をしていたが、
ユダヤ人であるため、
ナチス政権の誕生とともに職を追われることになったが、
自分はその人物に恩義があり、
祖国にも恩義があると続けた。


こうしてシェイファーは、
『ベルリナー・ターゲブラット』に転職したが、
ドラッカーやモントゲラスが心配したとおり、
ナチスはさっそくシェイファーを利用した。


ドラッカーは、
シェイファーには肩書き、報酬、名誉などが与えられ、
ナチスは彼が編集主幹に任命された事実を取り上げて、
ナチス、あるいはナチスによるメディアの処遇をめぐる外国新聞の記事が、
どれもみなユダヤ人たちによる捏造だった証拠だ、
と訴えたとし、さらに続ける。










「ナチスの残虐非道さが漏れ伝わると、

 そのたびにシェイファーを、

 ベルリンの各国大使館や外国特派員たちのもとへと赴かせ、

 『とんでもないはみ出し者』が起こした事件であり、

 二度とこんなことは許さない、

 とじっくり説明させた。」






(『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)