手芸以外にも

いくつかお熱な趣味があります。

そのひとつがオカルトです。


実体験をひとつ。


ここからは

オカルトがお好きな方だけ

お読みください。



題名    く   る


高校生の夏
夕暮れ時に体験した話です。


その日はうだるような暑い日でした。


学校から帰宅し

家族はその日に限って

帰りがやけに遅かったんです。


さっきまで明るかった陽射しは

気付けば夕焼け色に染まっていました。


夕焼け色というより

紫色の空でした。


紫色がやけに鈍く

不気味で

嫌な予感が走りました。


あっこれはくるなって。


何故そんな風に思ったのかは

分かりません。


恐ろしい何者かが

家に近づいて来ると思ったんです。


怖くて怖くて

家の中で居れる場所を探しました。


台所やリビング

あちこち部屋に入って


ここじゃダメだ!って

部屋を変えて。。。


でもどこに居ても来るのは

避けようがないってわかってたんで  



テレビのある一室で諦め

ドアを閉め

テレビを付けて

一瞬気を抜いた瞬間でした。


当時テレビはまだブラウン管で

テレビが真っ暗になりました。


ブラウン管越しに写る

男の姿が見えました。


その男性は明らかにドアの内側

部屋の中に立っていました。


首から上は真っ暗で

顔形は分かりません。

服は上が黄土色の長袖トレーナー

下はデニム

出で立ちは昭和に流行った服装でした。


あまりの恐怖で

ヒッ!と息が止まり

ゆっくりゆっくり

後ろを振り返ると

男性はいませんでした。


もう一度ブラウン管を見てみましたが

消えていました。



あの出来事は

真夏の紫色の空を見る度に

思い出す恐怖体験です。



この男性

心霊体験をする以前に

撮れた

心霊写真に写っていた男性の服装と同じでした。


心霊写真には

手の血管まではっきり写っていましたが

やっぱり顔は真っ暗で

見えませんでした。


私には分かるんです。

心霊写真の男性だと。


あれから彼は二度と現れていません。



紫色の空には

ご注意ください。