メタボリックシンドロームの診断基準作りに取り組むIDF(国際糖尿病
連合)という日本を含む約160カ国・地域からなる糖尿病にかかわる国際
組織が日本のウェスト基準値を改正し、世界基準に合わせるよう求めて
来たという。


従来は日本独自の基準値として、ウェストサイズが男性85センチ、女性
90センチ以上が内臓脂肪の付き過ぎによる糖尿病や心臓病などを発症する
生活習慣病に罹り易い体質の目安とされて来た。


女性の値が男性より高いのは日本だけで、中国などアジアの国々でも、
男性が90、女性が80以上とされており、IDFは新しい研究結果を踏まえ
て、改正がなされたということだ。


ただ、これは人種や民族によっても違いがあり、一概に診断基準の数値と
することは出来ないともいわれている。


海外からの別基準の導入打診に対して、日本側関係者は当惑しているよう
である。


男性より女性の基準値が高いのは、女性の場合には男性に比べて皮下脂肪
が厚いためだと解釈していたが、どうもそれだけではないようなのだ。


相撲取りなどのお腹は大きいし、アンコ型力士になると胸も腹も妊婦並に
見えるほどだ。


日本の国技である大相撲は元々は宗教的起源を持ち、妊婦を思わせる体型
には、多産や安産、五穀豊穣の祈りを仮託した祭礼的意味合いが込められ
ていたという民俗学者の説もある。


大相撲独自の化粧水(けしょうみず)という言葉も、妊婦である女性を
イメージしたものであるという。


相撲取りの太鼓腹は常に体を鍛えているから、メタボリック症候群には
かからないそうだ。


しかし、現役時代はいいかもしれないが、やはり引退後はダイエットに
気を配らなければならないことはいうまでもない。


名古屋に住んでいた頃、近くに現役引退後ちゃんこ料理店を経営し、相撲
界の八百長の実態を暴露して週刊誌を賑わせた親方?がいたが、渦中の人
が突然糖尿病が原因で死亡してしまい、相撲協会の関与が疑われたことが
あったほどである。


中年に差し掛かって中年太りだからしようがないと諦めない方がいいよう
である。


せいぜい生活習慣を改める努力をしないと、定年前あるいはその直後に
死亡する人も多いし、現に私の友人知人の中にもかなりいた。