公害による喘息患者の被害者たちが訴訟を起こして裁判で勝訴し、判決
は国が東京都に対して60億円の賠償をするように命じた。


それとともに各自動車メーカーに対しても応分の賠償責任があることを
明確にした。


しかし、これは単に首都東京だけの問題ではないはずだし、大都市圏のみ
ならず地方でも自動車の排気ガスによる喘息患者は多数存在すると見て
いい。


喘息被害者の会は最大手の自動車メーカー、トヨタの本社にまで押し
かけて補償額が少なすぎるとして抗議の気勢を上げている。


自動車メーカーの責任は当然認めなければならないし、患者の救済措置
も早急に講じるべきだろう。


私も軽度だが気管支喘息を抱えているが、医者に通っても原因不明の
アレルギーとしか説明はしてくれない。


もともと気管支が弱く、親父の遺伝かもしれないが風邪を引くと、喘鳴
や咳に悩まされるため、極力風邪を引かないように心がけている。


私の弟が製薬メーカーの営業をしているが、軽度だといって安心すること
は出来ないよと忠告をしてくれているが、なにか脅されているという感じ
すらする。


公害の発生源は国内のみならず、経済発展著しい中国大陸からも季節風や
海流によっても運ばれて来る。


中国だけの責任ではなく、安い人件費によるコスト削減を求めて中国を
世界の工場に仕立て上げた日本や欧米企業にも責任はあるのではないか。


大気汚染の元凶として中国など発展途上国にCo2の削減を先進国は
求めているが、核問題と同じ構図が透けて見えてくる。


人類とか地球の将来を案じての美辞麗句が並べ立てられるが、建前と
本音を使い分ける先進諸国のエゴがまかり通っているとしか見えない。


公害の被害者は全国民であり、加害者は全企業であるといっては過言に
すぎるであろうか。


喘息患者の方々には酷な言葉かもしれないが、被害者も文明の利器の
恩恵にも預かっているのである。


タバコの禁煙運動と愛煙家が肩身の狭い思いをせざるを得ない構図と
どこか似ている感じがしてならない。


物事万事、諸刃の刃という意識が希薄になっていることが背景にある
ように思うのである。