感じるとき。 | 漁師,ぴんぴん物語 EpisodeⅠ

感じるとき。

今日は、人間のカラダ不思議シリーズのお話。


     ヒントは・・・これについてだ。


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歳をとったのだな、と思うときがある。歳をとった、のではなく、若くはなくなった、ということなのかもしれない。
・・・え、同じ意味だって?・・・うるさい。

特にそれを感じる時が二つほどある。一つは、酒。一つは、睡眠だ。

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酒・・・そう、もともとそこそこ飲める口だった。

だが、韓国に行った頃はそこそこどころか、酒豪というくらい、飲みまくるようになった。日々飲む生活。何の因果か、先生と朝まで飲んで、そのまま学校行って、その先生の授業を1時間目から受けたこともあった。ちなみに、その先生は途中から「気持ち悪い」って言い出して、授業放棄し、学生にはビデオを見せはじめた。当然、先生と俺は寝ていたのは言うまでもない。時には、ソジュという韓国の焼酎を4本飲んだり、時にはビールを5リットル(ピッチャーでくるので、どれだけの量飲んだかが分かる)飲んだこともあった。ソジュを4本飲んだ日は、タクシー拾ってから、寮までの30分、どんな道を通って寮まで戻ったかすら覚えていない。恐らくムダな遠回りされてボラレタはずだ、気がついたら寮の前で寝ていた。数十分か数時間か分からないが、その後は寮が門限で閉まっていたにも関わらず、自分たちは強制的に門を開けようと試みて叫んでいた(らしい)。結局、寮のおじさんが起きて、ブチ切れつつ門を開けてくれた(らしい)が、俺が「まぁいいじゃん」って日本語でおじさんに言いながら、おじさんにハグしようとした(らしい)。おかげで、おじさんが(より)日本人嫌いになったとかいう噂が出ていた。そう、らしい、ばかりで、何も覚えていない。全部友だちから聞いた。それくらい飲む毎日が続いた。アルコールを体が欲していたわけじゃないが、単純に韓国での生活の一部が「酒」だったのは事実だった。そういうことだ。

だが日本に帰ってきたからというものの、あまり飲まなくなった。できれば避けたいとすら思うようになった。結局、帰ってきて以来、飲んだなぁって思うことは、ほとんどないかと思う。むしろ飲むと、少しアルコールの分解が悪いときが多い。私は誓っても絶対戻さないタチだが、頭痛のひどさは、昔以上にあるようになった。そうして、あぁ、自分若くなくなったのかなって思うようになった。

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酒と同様に、睡眠もまた歳を感じさせる。

一年生のころ・・・もう、6年も前のことになるだろうか。大学の学部内で懸賞論文があって、その論文を3日で書き上げた。締め切りまで残り少ない中で書き始めたための自業自得な作業だった。3万字以上という論文の決まりがあったから、当然、その3日間寝ずに書きまくった。手書きで書いた、そここそ「書き下ろし」論文でもあったため(当時はWORDの使い方がよく分からなかった・・・笑)、今思えば、あの論文が人生史上、最悪で最低の出来の論文だったことは想像し難くない(一切、赤入れしていない)。ただ結果としてはその論文が通って、奨学金と韓国研修のタダ券を手に入れれたのが今の自分に繋がっている。そんなことを考えると、あの3日徹夜は、人生において、かなり大きかった徹夜だったのだろうか。そう、とにかく、あの頃は3日徹夜が出来たもんだった。徹夜はカラダに悪いと聞くが、時にこうして必要なときだってあるのだ。

2002年12月、韓国にいたころ、ある日韓合同のシンポジウムの事務方・調整役をする機会があった。そのときも数日徹夜をしたこともあった。しかも風邪をひきながらのものだった。だが、マイナス温度を記録するソウルの街中で、そんな活動していてもなお倒れることなく、結局何とか乗り切ったものだった。


最近はどうだろう。あの頃よりも勉強をよくするようになった(笑)研究もまた、体力との闘いだ。夜な夜な、朝から論文を読んだり議論をしたりする。学会に行けば、全体会議など含めて、朝から夜まであることだってある。

ところがどうか。徹夜が出来ない・・・いや、出来る。でも昔と何か違う。正直言えば、昔みたいに3日なんて出来ず、正直1日が限度だ。よくレポートなどで徹夜をすることがあるが、その後に昔みたいな「保ち方」がない・・・

昨晩徹夜をしたときのが良い例だ。徹夜開始・・・つまり前に起きた時間から39時間経ったころ(今回ちょっとカウントしてみた)、急にめまいがした。ぐらぐらしはじめた。モノは見えるが、視線がというより、「脳みその中」がグラングランしてるようだった。当然、ベッドに横になったが、めまいみたいなものが止まらない。気持ち悪い気持ち悪い・・・そんなことを考えているうちに、自然と深い眠りに落ちてしまった。

昔、徹夜の逆で「寝まくった」ことがある。それも28時間、丸一日と4時間、つまり3日を跨いだことになる。もちろん睡眠を続けることは不可能で、時々起きて目を開けたことはあったり、トイレは何度か行ったが、それ以外はそのまま横になりつづけては、即寝た(何故か寝れた)。

そんなに眠れたのには理由があった。前日、その前の月に彼女(当時)と修羅場を迎えて廃人と化していた自分(廃人と化していたのも当時)は、何かを忘れんがために家でビデオを見まくっていた。結局、3本連続制覇したわけだが、3本×2時間=計6時間強。はっきり言って、これやると、かなりの精神崩壊来たす(笑)映画の種類にも当然よるのだが、3本目に見たのがイギリスの異質な映画で有名なとある巨匠のコアな映画だったので、それがあまりにショックが大きかったのだろう、自分の精神すら異質化していた・・・いや、実は、4本目を挑戦しようとしていた。それでそのとき手にしたのが「レオン」のL.ベッソンがメガホンを取った「アトランティス」という映画だった。それは音楽が流れ続けて、海の動物を映している、ただそれだけの映画・・・言い換えれば、ヒーリング・ムービーみたいなもんだ(笑)。綺麗な映像を見たいがために借りたものの、それは想像とおり、そのまま「眠りの世界へのチケット」となってしまった。太陽の光が差し込んで蒼く澄んだ海面近くの青色と、深く底の見えない漆黒が続く世界。疲れ果てていた自分は太陽の光を求めるまでもなく、その深く底の見えない漆黒の世界へ落ちていったかの如く、映画再生もそのままにして布団にもぐりこみ、2日後まで起きることはなかった。

恐らく、今はもうそれは出来ない。実に、寝るのにも体力使うからだ。最近は寝なくて体が辛い時もあるが、だからといって寝ようと思っても、寝すぎることはさほどないし、それが出来ない。4、5時間程度で起きてしまうのが常になりつつある。だが睡眠不足に違いは無い。当然昼間眠く感じる毎日だ。

今、夜な夜な「24」が放映されている。たまに見てしまっている自分がいるが、よく思う。さっさと24時間放映しろよと。それで時に思う。24時間ぶっ続けで見た方が良いよな、と。友だちで後輩のT・Eはそれを実行したと聞く。俺もやってやろうじゃないかと思ったりもする。

でも今日はさすがに思った。俺は出来ない。恐らく、主人公ジャック・バウアー以上に俺が疲労困憊で、バウアーが撃たれようが麻薬中毒になっていようが娘に彼氏が出来ていようが、結局最後までしっかり立ち続けているのにも関わらず、俺は何もなくとも24時間後には倒れているかもしれない。・・・バウアー、恐るべし。そう思って、私は実はジャック・バウアーより老いてしまったのではないか、とか感じてしまったりもするわけだ・・・。

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走ったり筋トレしたりすれば、こんな老いも感じなくなるのだろうか。

そうだ、 その宿題は、半年後にこの場を使って自問自答してみたい。

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・・・ってか、半年後、覚えてますように。呆けてませんように・・・。