ニラメッコ。 | 漁師,ぴんぴん物語 EpisodeⅠ

ニラメッコ。

大学院に入って、半年近く経った。本来やっていた領域とは異なる研究テーマにあたることになった院生活は、当初苦痛だったものの、最近ようやく少し思考転換することができて、だからといって全て万々歳の解決を見たわけじゃないが、ポジティブに考えながら、それなりに没頭しはじめている。


今は二つ前あたりの記事に書いたとおり、3日で250ページ近くの韓国語書籍を読むことになってしまい(自分がそのテーマに抵抗感を感じ、何もしなかった『ツケ』)、残り180くらいというところまでやってきた。


他言語を英語以外深くやったことがないので、他の言語でも同じことが言えることかどうか分からない上で書くが、韓国語というのは、最初は良いのだが、中級以上になると難しさを覚えるように感じる。これは韓国人の日本語学習者にも見られる傾向らしく、彼らの場合は敬語や漢字などで、一つの壁がやってくる。私の場合は、韓国語には漢字成語が多いので当初・・・中級の少し上くらいまでレベルを上げるのには何とかなるものだった(会話は相変わらず低レベルを誇ると自負するが)。ところが論文読んでいても、最近は分からない言葉だらけ。今まで手でひく辞書を使っていたが、それも時間的にムダな時間になってきたので、結局電子辞書を買うことに。やはり効率は良い。まぁもちろん辞書内の例文の少なさやその判断、また覚えが悪くなるという弊害はあるのだろうが、もはや「たいむいずまねー」。今回だけは電子辞書で過ごすしかない。


自分は、日本語であれば、速読にかなりの自信を持っていた方だ。ぱっと見て、大意掴むのも、小学校時の受験戦争のお陰で、嫌でも慣れてしまった。あんなに今でもトラウマというかコンプレックスの元になった経験が、後々役に立っているというのが皮肉なもんだが。


だが、どうも韓国語は「ぱ」と見て、どうも脳みそに入ってこない。もちろんまだまだ読んでいる量が少ないせいであろう。それは十分に考えられる。だが、英語よりも韓国語が得意なほうなのに、韓国語はじっくり当たらないと読めない。いや、読めるんだが、結局読み終わったあと、全く頭に入っていない(笑)むしろ、韓国語の論文を読んでいて、息詰まって、合間に気分転換で見る英語の論文の方が読みやすい。もちろん単語で分からないのもかなりあるのだが、それでも英語の方がしっかり頭に残った読み方が出来る。


これは単純に読んだ量なのか?ただ確実に一つ言えるのは、韓国語の文字の構造そのものが、日本語や英語に無い構造を持っているので、「単純に読みづらい」というのは確かだと思う。たった一文字で「母音1つに最高で子音3つ」とかという文字があるのが、韓国語の構造だ。アラビア語を少しかじったことがあるのだが、むしろあの方が簡単そうな気すらしてくる(苦笑)。また韓国語を日本語のように例えてみれば、ほとんど「平仮名」を読んでいるような錯覚に襲われる。もちろん「漢字成語」もあるわけだが、それを漢字ではなく「ハングル」で表示する論文がほぼ100%占める中では、いくら漢字成語であっても、その見た目は「平仮名」に等しい。例えば、「今日、俺は学校で狂気の沙汰に陥っていた」と漢字を使って表現したものを「きょう、おれはがっこうできょうきのさたにおちいっていた」と書かれたら、日本人でもちょっと詰まってしまうものではないか。まぁこれはまだまだ言い訳と言われることもあるだろう。いや、速読できるよ、と言われてしまえばオシマイなわけで、母国語話者やネイティブ級の韓国語力を見につけた人はこの壁を乗り越えたんだろう。


いずれにしても、こうしてる間に時間は過ぎていき、まだ3桁の量が残った韓国語の論文をニラメッコすることは続く。いつか韓国語も「ぱ」と見て、すらすら中身が脳みそに入ってくることを期待したい。


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家の飲み物が一切無かったので、コンビ二までお茶とりんごジュースを買いにいった。そうしたら、すっごく星がきれいだった。いつも見えない星がよく見える。星がきれいなんて、他の地でもよく感じたことだったが、今日は論文に詰まっていただけに、感じ方も違う。大袈裟に言えば、つくばに来て良かった、変な話だが、初めてそう思えた。


さぁ、気持ち少し転換できたみたいだ。ぶろぐ更新ほどほどに、また論文とニラメッコしよう。