南の島=癒しの場か | 漁師,ぴんぴん物語 EpisodeⅠ

南の島=癒しの場か

~ナビィの恋~


映画第二弾は、ナビィの恋です(ナヴィ、だとさっきまで思ってました)。

確か京都生まれで琉球大育ちの中江裕司監督作品です。


ナヴィ


この映画は1999年の作品。

では、簡単にストーリーを追ってみましょう。


主人公の奈々子(西田尚美・・・今NTV系で放映

されている「瑠璃の島」にも出てましたね。

沖縄離島専門の女優なのですかね・・・笑)は、

都会での窮屈さから逃げたく、故郷である沖縄の

離島に戻ってきます。


奈々子は、ナビィおばぁ(おばあちゃんのことを沖縄では、

おばぁと言います)やその他の人びとに囲まれ、

そうした生活の中で徐々に癒されていきます。

ですが、それとともに奈々子はおばぁの「ある」不審な行動に気付きます。


その不審な行動の顛末とは・・・?

ナビィと奈々子、それぞれの恋の顛末を、

沖縄っぽい笑いと悲しみ、それらを沖縄民謡や

三線の音色にのせて唄い、語られるストーリです。


hana


この映画は、沖縄らしい色とりどりの風景を、

それはそれはうまく取り込んだ映画でもありますし、

また沖縄民謡や沖縄演劇界の巨匠を出演

させまくったという意味でもかなり凄い映画です。


この映画を見ることからは、沖縄音楽というもの、沖縄芸能

というものの一端を知ることも出来る映画なのかなとも思います。

また、ピアノレッスンのマイケル・ナイマンがテーマ曲を作ったのも

注目すべき部分です。三線と西欧音楽の融合も見ものでしょう。


にしても、あのマイペース感・・・沖縄じゃねーとできないものなのかな?(笑

はて、都会と沖縄しか深く知らない私・・・勘違いかもしれませんが。


   三線


ところで、みなさんは何か楽器をあやつれますか??


私は三線をひいたことは無いけれど、

やってみたいなと思いました。もしできたら、

私のおばぁも、さぞかし喜んでくれるんだろうな(笑)

次に帰郷?した際には挑戦してみたいと思います。



それにしても、沖縄を癒しの場としたイメージが成立したのも、

この映画がキッカケだったのではないでしょうか。

もし私の知らないだけかもしれませんが、この映画から

多くの人びとが影響受けたような気がします。

俗に言われる「沖縄移住ブーム」です。


それに関連して思い出すのは、昔、演出家の宮本亜門の

コーヒーのCMです・・・「宮本亜門は知っている・・・ちゃらら~」

94年ごろですね。分かる方は分かりますよね?(笑)

そのCMが彼自身の沖縄への移住のキッカケとなった

というのはかなり知られたことですが、あのCM自体が

昨今のブームに大きな影響力を持っていたことも否定できません。


関連して、この映画の後、沖縄を舞台にしたり、

もしくはロケ地として扱った映画やドラマが多くなった気がします。


例として、ドラマはNHK「ちゅらさん」、日テレ「瑠璃の島」、

TBS「さとうきび畑の唄」、フジ「Dr.コトー」などがありますよね。

映画は・・・これはあまり知られてない映画かもしれませんが、サトウキビ

刈りのアルバイトをする都会の若者の姿を描いた映画がありました。


それらに通じたのも、「さとうきび畑」を除いて、「癒し」というものでした。


癒しの場としての沖縄。青く澄み切った空と海、

そして青々と茂る緑豊かな山。それが人びとに力を与え、

そして沖縄=癒しの場として確立されたわけなのでしょう。


それらはまた、新しい沖縄像を描いたものでもありました。


1945年の戦場としての沖縄の映画が多く作られてきた中で、

新しい沖縄像は、ある意味、都会の喧騒というものが都会に生まれ、

そこから人びとが離れた癒しの場としての沖縄を追求したという意味では、

時代の変化を表わした、そんな意味を持った映画でもあったといえます。


hana2

(これはギリシャのブーゲンビリア)


いつか、またこの映画とは違う「沖縄」を描く映画に出会えることを

期待しています。いや、もう出ていて、私自身が知らないだけかも

しれない。そうであったら、もしお薦めがあれば、このブログに出会った方、

教えてくださればと思います。


ただ、最後に私なりの意見ももう少し加えると、

沖縄=癒しの場、には若干批判的な意見を持っています。

それはどういうことか、ちょっと意見がまとまっていないので、

それは次の回にそれは書くことにしたいと思いますネ。