韓国対日本という構図(4)~JとKという国内L編~ | 漁師,ぴんぴん物語 EpisodeⅠ

韓国対日本という構図(4)~JとKという国内L編~

 ④自国リーグ所属チームの国際試合での成績

さて、日韓サッカーの「パワー」の分析・評価も、今回で最後。最後は、国内リーグチームが、国際的にどこまでの成果を得ているか、を分析することから、両国の力を探ってみようと思います。


AFC football        toyoya

(こんなマークの大会らしい)  (旧トヨタカップ。今年から変更らしい)       

両国リーグの起源にひとまず触れてみましょう。Jリーグと、Kリーグと、なんか似た名前の両国リーグ。そういえば、Jリーグ発足時に蹴球流行に乗ろうとして、Jリーグにかけて「Jポーク」だっけか、肉のCMがやたら流れていたのが思い出されます。今やそれも忘れJポークは「ポークでハッスルハッスル」になってる気がしますけど・・・。


Jは1993年に設立されました。今のお子ちゃまたちは知らないでしょうが、今会長なのにキャプテンって名乗ってる川淵三郎が必死に立ち上げましたし、当時は浦和と名古屋が糞弱かった時代。黄金期ヴェルディにハーフラインからリフティングで交わされ続け、点を決められるという、ヴェルディにとっちゃ伝説的ゴール、浦和にとっちゃ伝説的醜態を思い出さす、良き一時代です。いつか、あれを超えるプレーを浦和に見せてもらいたいなと、個人的に期待します。


KはJより10年早い83年に設立されました。よくスポンサーも変わるし、本拠地も変わるので、名前がコロコロ変わるのが特徴。ちなみに今強いチームは水原三星。韓国版レアルとか呼ばれ、サムソンという韓国企業の「まねー・ぱわー」で選手獲得に躍起になってました。ところで、最近の蹴球社会を見ていると、ふと思います。金満チームの代名詞はレアルから、チェルシーへと変わり、いつか「何とか版チェルシー」になるんじゃないでしょうかね、油モビッチ(チェルシーオーナー)さん。


では、話を本題に戻しましょう。それぞれの国内リーグチームが国際的経験を積む場は、まずアジアで代表的なものとしてAFCチャンピョンリーグがあります(上記のマーク、以後AFCCL)。そこを勝ち抜くと、クラブ世界選手権とトヨタカップ(上記マーク)が合体した「FIFAクラブワールドチャンピョンシップ トヨタカップジャパン」があります。これは今年が初開催ですが、数年先まで日本での開催予定とのこと。その後は、恐らくは欧州もしくは日本に替わるFIFAのマーケット戦略に「適した地」へと戦いの場を移すことになるのでしょう。


AFCCLは2002年からの開催されており、。日韓両国からそれぞれ2チーム、日本からの出場チームは前季のJと天皇杯の覇者が出場します。2002-2003AFCCLは、日韓両国の代表は、日本が鹿島アントラーズと清水エスパルス、韓国がテジョンシティズンと城南一和でした。でもともにグループステージ敗退(本戦のグループリーグです)を喫しました。


翌年2003-2004シーズンには、日本からは横浜Fマリノスとジュビロ磐田、韓国からは全北現代と城南一和が出場しました。日本の2チームはグループステージで敗退しましたが、韓国の2チームとも準決勝へ進出、城南一和は決勝まで進出し、結果準優勝の成果を得ました。


2004-2005AFCCLは今現在グループステージが行われています。日本からは昨年度同様、横浜Fマリノスとジュビロ磐田、韓国からは水原三星と釜山アイコンスが出場しています。日本の磐田はグループステージ敗退が決まっていますが、横浜はグループ2位で、厳しいながらもまだ最終節の結果如何で、準々決勝進出の可能性が残っています。韓国の釜山はグループ通過を決め、水原は最終節次第と、横浜同様の望みを持っています(以上,2005.5.6現在)。


こうしてみてみると、国内クラブレベルでは、韓国のチームが高い結果を出しているといえます。2002-2003は日韓両国クラブは敗退を喫したものの、2003-2004は韓国クラブの準優勝とベスト4、2004-2005は1チームが既に準々決勝進出を決めています。また準々決勝進出を決めていない水原は、磐田を押さえての現結果です。


よって、国内リーグのレベル比較という点からすると、韓国の優勢が結論として出せるのではないかと思います。


またこれはもう一つの事実をあわせると、実証性が高くなります。それは、KからのJへの人的流出です。TBSが横浜と清水の試合を「韓流対決」といって放映していましたが、それが今の大きなJの傾向です。つまり外国人助っ人における韓国人選手の割り合いの増加です。これは韓国人選手の力量という部分とともに、Jクラブにとって、移籍金や年俸等の契約面でのリーズナブルという点が魅力的だったということが、大きな要因となりました。


力量か、契約条件か。どちらが決定的要因かはそれぞれの選手次第ですが、今回の連載(1)で挙げた朴智星の例のように、韓国から日本へ移籍し、その後、欧州の舞台で活躍するようになるなど、市場価値的な安価を狙ったという韓国人選手獲得であった、というだけでは決して韓国人選手の増加は説明できません。日本人相当もしくはそれ以上の能力を買われた側面はあると捉えてよいでしょう。こうした部分からも、韓国人選手のJでの好評価は確かであり、韓国の優勢を肯定的に捉える側面となるといえます。


ただし、こうした流れには韓国側の事情もあります。Kでの年俸は、韓国経済の影響もあり、非常に安いのが現状です。例えばKの最高年俸(昨季)は金度勲(元神戸/現城南一和)で、4億ウォン(日本円で約4000万円)です。一方、日本最高年俸は1億の楢崎(名古屋)だったはずです(以前の新聞での報道の記憶ですので、今は違うかもしれません)。そのため、Kの選手が好条件のJに仕事の場を求めたという場合がありますし、また他のケースとしては、欧州に行くために、スカウトの目に留まりやすくなるよう、Jの舞台にPRの場を移したという事情もあるようです。例として、横浜の安ジョンファンは、今後欧州に行くことを期待しつつ、横浜でプレーを続けることを韓国各紙に語っています。


なお、補足ですが、考えられる反論をいくつか載せておくことも大事ですから、載せておきたいと思います。まず、日本側から出場した2チームは「昨季の覇者」であって、「現状最高のチーム」ではないこと。磐田がその批判にさらされたのは周知の事実です。すなわち、J覇権を取ってないチームがAFCCLに参加することには、浦和などのチームから批判が起きました。また実際、現在のJでも磐田のみならず、横浜も成績が停滞しています。横浜については、ベストメンバーが怪我と過密日程のために揃わないという要因もありますが。


以上、こうした点もありますが、それは韓国も同じこと。今年のみならず、前年、前々年の結果を総合的に見ると、結果として韓国の優勢は事実と評価できるでしょう。


結論:

哀しいですが、4つの分析枠と使って説明すると、韓国対日本という構図からは、韓国の優勢が見受けられます。若年層での活躍が著しい日本、W杯での審判疑惑のついた4強の韓国ではありますが、全体的な評価からすると、韓国の優勢というのが実情だと見て、正しいのではないでしょうか。


新たな問題??

なら日本はどうする!?この「よく出る」問題に突き当たります。では、次回、蹴球生活では、この問題を、おなじみの日本代表に限って、議論してみたいと思います。



あ、モウリーニョネタもいつか。