ユーモアとリアリティ、そして個性に富む場所~追記~
~The West Wing~
追記~日本との比較から~
先日書いたTWWの考察を行なっているなかで、
日本のドラマ作りに思うことが出てきたので、
それをここで書き残したいと思います。
先日のメモに書いたように、TWWは政治ドラマですが、
日本で政治ドラマは、再現ドラマ以外、流行らない、
つまり視聴率の取れないものだとして、テレビ業界では
あまり好まれてないようです。
昔、脚本家三谷幸喜が総理大臣のドラマをやった記憶がありますが、
当時、彼自身「日本で政治ドラマは視聴率取れないんだけどね」といった
主旨のコメントをしていました。そして見事にコケていました。
確かに、日本で安全保障ネタはとかくやりにくいものですし、
かといって内政ネタや経済外交ネタも「暗い」イメージ、
「悪い」イメージ、というか「つまらないよ」とかしか感じないためでしょう。
もしくは、国際政治史の学者である入江昭の指摘することのごとく
「理念無き戦後日本外交」をネタにしたドラマというのも、再現ドラマで無い限り、
ドラマ化するのは単純に心に訴えかけたりするといった部分にも困難があり、
おのずと面白みに欠けてしまうのではないでしょうか。
また、そういったことは「政治無関心」といわれる日本人の政治観とも、
無関係ではないのかもしれません。
それでも日本で政治モノっていったら・・・「時代劇」とか「大河ドラマ」が
例外として流行っているモノとして言えるんじゃないかと思えてきます。
まぁ、それも政治モノっていうには、ちょっと無理も伴いますが(笑)
結局、印籠・ご隠居・馬・花吹雪などなど、政治モノじゃなくて、ヒーローモノだと
言われると否定できませんし(苦笑)
あとは・・・時代が近代、恐らく1945年までを描いたものになるのでしょうか。
その一例が、太平洋戦争モノです。それらの多くは、肯定的・否定的といった
評価の部分では、色々と再考する余地があるものが多いわけですが、
そういう前提があるものの、日本の政治理念や文化論などで人びとに
訴えられるネタがあったわけです。つまり、政治ネタで人びとの心を
「掴める」のは、戦前までのネタのみであると言えるのでしょうか・・・。
そう考えていると、今後、日本のドラマで「現代の政治ドラマ」で
人びとの心を掴む作品が作られることなんてあるのかなぁ、と思えてきます。
結局、戦艦何とかとか、過去モノ、英雄(ヒーロー)モノ以外は無理でしょうか?
例えば、現代だとしたら、、アメリカのように「超大国」という条件が無いと
ダメなのでしょうか?それこれと考えていると、結局、現代日本の内政・外交に
ダイナミズムというか、躍動感が無いってことが日本製政治ドラマの大きな
阻害要因となっているのかなと思えます。加えて、もともと日本政治って
淡々としていて、それこそ「こそこそ」って部分がありますし、それらは
日本古来の文化みたいなものですので、「これは面白い!」って言えるような、
劇的なものってあまり期待できないのですけれど・・・。
「あざーす」
あ、評価の分かれるところではあるけれど、ある意味、小泉政権になってから、
ある種の「躍動感」は出てきましたが・・・じゃあ、小泉政権下で、
いっちょ超大国でも目指してもらいますか?そうしたら、TWWのような
重厚感かつ面白みのある政治ドラマができそうな気がします(苦笑)
もっとも、たとえ目指したとしても、たとえそうできたとしても、
それは1000年くらい先の話になりそうですが・・・。
