7月6日福井県立恐竜博物館への旅、備忘録。

名古屋から福井までは車でも良いが、雨の日の運転は嫌だし、かといって電車とバスの乗り継ぎは、入館したい時間に博物館へ到着できず、泊まりとなる。それも悪くはないけど、日帰りの恐竜博物館行きツアーを見つけたので、利用してみた。道中車内のガイドさん付き旅行なんて約30年ぶり。若いお兄さんの、ちょっと昭和な香りがするご当地ガイドも悪くないわ。

(黒川紀章氏設計の建物）

入館ゲートを通り、エスカレーターで地上1階(構造的には３階）から地下１階まで降りる。円錐形の天井が恐竜の眼のよう。

エスカレータ－を下り、トンネルのような展示廊下を抜けると、まず、化石発掘の状態を複製した展示物がある。

(上階部からの撮影した、カマラサウルスの産状)

画像では小さく見えるが、かなり大きい。頭と尻尾が引き寄せられた「海老ぞり」の状態は、恐竜の”死のポーズ”であるらしい。

同館は、この全身の９割以上の骨が残っていた、装飾恐竜カマラサウルス(約１億5千万年前に生息)の化石を購入、埋まった状態で輸送し、クリーニング作業等を経て、全身骨格を組み上げたものを展示している。

人が入らぬよう全体を撮影しようにも、全長15ｍ、高さ5ｍという大きさは無理。

カマラ＝空洞、サウルス＝トカゲ。説によれば、巨体の長い首の軽量化のため、脊椎骨が空洞(カマラ)になっているのが特徴。

本物の化石(＝重い)は、レプリカ化石よりも、がっちりしたフレームで支えられている。

(カマラサウルスのフィギュア)

大きくて首の長い恐竜は、ゾウみたいな脚の竜脚類で四足歩行。

このゾーンの展示だけでも、かなりの見応え。骨格の複製標本を見ながら、骨盤、脚や口の特徴などを知るのも面白い。

(広くて扁平な口を持つ、ニジェールサウルスの頭部)

(眼球を支える骨＝強膜輪が見える、オルニトミムスの頭骨)

鳥類には、複数枚の薄い骨で構成された円状の板/膜があると、このオルニトミムス＝鳥もどき、という学名のダチョウ恐竜から知った。

(巨大恐竜ブラキオサウルス、あえて胴部を下から撮影)

ちなみに恐竜は骨盤の形(恥骨が前後どっちに向いているか等)によって、トカゲっぽい骨盤の竜盤類、鳥っぽい骨盤の鳥盤類の２種類に分けられる。

(ブラキオサウルスの幼体の骨格とフィギュア)

ブラキオ＝腕という意味で、後ろ脚より前脚が長い。頭頂がドーム状に盛り上がっている。

(左：スコミムス・テネレンシス、右：ティラノサウルス)

この、いかにも”オラオラ系”の２体を一緒に撮影する人は多いと思う。

(ワニのような口のスコミムス・テネレンシス)

円錐形の120本以上の歯。歯磨き大変そうだ。

スコ(エジプトのワニの神セベクのギリシャ語読み)、ミムス(もどき)は、背中に帆のような背骨を持つスピノサウルス系(スピノ＝背骨の棘？背びれ？)。低めの背びれのワニもどきの主食は魚だったよう。

なんか、学名の意味を知ると、面白い。

(ワニもどきの鉤爪)

何かに似ている・・・。

高野山で見た、持国天の持っている、三鈷杵もどき？

話が逸れたが、館内かなりの数の展示がある。格闘中、共倒れになった２匹の恐竜の化石標本とか、皺、皮膚の痕跡が感じられる恐竜の実物ミイラ化石の展示（かなり状態の良い、貴重なもので、2023年から10年の借物らしい）なども人気。

また、地球、生命の歴などを学ぶゾーンもあり、公立の施設ゆえか、これで入場料1000円(一般、通常展のみ)は有難い。

続きは、私が好きな装甲系の恐竜で。

恐竜県へ(2)