さて、前回の続きを書こう。
第1版の人民元は内戦および建国初期でインフレが深刻なだけに、額面の大きいものが多かった。
1955年3月1日に第2版の人民元が発行され、同年5月に第1版の流通が停止。
そして、これまで合計5版の人民元が発行されている。
世界の紙幣のほとんどは、額面が1、2、5及びその10の累乗倍単位で、中国も基本的にそれに当てはまるが、唯一の例外は第2版人民元の3元札だ。
当時、ニセ札が横行し、その悪影響を軽減するため政府は5元以上の紙幣の発行を一時中止したのだが、1元札だと額面が小さすぎるため、3元札の発行を決めた。
また、中国国内には紙幣印刷の設備や原料が足りないため、3元、5元、10元の3種類についてソ連に印刷を依頼した。
しかし、1960年頃、中ソ関係の悪化を受け中国政府はソ連から原版等を取り戻し、1964年にソ連製の紙幣を回収。
その後、3元札は二度と発行されることはなかった。
これが幻の3元札と呼ばれるものだ。
現在、流通している人民元は第4版と第5版で、第5版はさらに1999年版と2005年版の2種類がある。
1999年10月1日に第5版人民元が発行されたが、2005年8月31日に1元札を除いて99年版とほぼ同じデザインのものがまた発行された。
中国人民銀行は、偽札防止技術や機械読み取りに対応する機能の強化のほか、裏面のデザイン変更として人民元の単位である「元」の英語表記「YUAN」を付け加えたなどを理由として挙げている。
しかし、中国国内では、偽造防止技術等の強化とはいえ、わずか数年で新紙幣を発行するのは不自然でコストも大きいとの見方が少なくない。
最大の理由は、むしろ人民元の国際化を進めているのに肝心の通貨単位の英語表記「YUAN」が抜けたという設計上のミスにあるのではないかとされている。
実際、同じ99年版紙幣でも、最も遅く2004年7月30日に発行された1元紙幣にはYUANの表記が付け加えられ、この1元紙幣だけ2005年改訂版が発行されなかったので、99年版は設計ミスという疑惑がかけられたわけだ。
そして今、引退した第1~3版人民元はコレクションアイテムとして脚光を浴びている。
特に第1版の希少価値が高くなっているのだ。
流通期間が短く、しかも全流通量の98%が回収された上、発行時の厳しい社会環境により紙の質が悪く毀損しやすいため、きれいな状態で残されているものは極めて稀なのだ。
現在、1枚単体で販売価格は最低でも1,000元前後で、62枚全部揃ったセットは2000年頃に20万元前後、最近では400万元(約6,400万円)にまで跳ね上がった。
そのうち「12珍品」と称される12枚は、1枚1万元以上の値がつけられ、その中に少数民族地区で発行されたモンゴル文字やウイグル文字の入ったものは特に入手が困難となっている。
その影響で、5千元札の「蒙古パオ」は70万元(約1,120万円)前後に達している。
また、第2版のうちソ連印刷の3元札、5元札、10元札は希少価値が高くなっている。
特に10元札については、月給数元しかない時代に発行されたため流通量が非常に少なく、1枚20~30万元(約320~480万円)の売値がつけられている。
一方、1962年に発行された第3版は、流通期間が約38年と長く量も多いため、単体で数十元か数百元にとどまっている。
ただ、その中に3大珍品と呼ばれる「背緑」、「背緑水印」、「紅一角」は別格だ。
裏面が緑色の「背緑」1角(10分の1元)紙幣は、似たような色合いの2角紙幣と混同されやすいため、わずか14ヶ月で使用中止となった。
五角星の透かしの入った「背緑水印」1角紙幣は発行量がさらに少なく、4~5万元(約64~80万円)の値がつけられ、第3版の中で最も高額となっている。
「紅一角」(赤い1角紙幣)は、表面に群衆が右方向に向かって前進するという絵柄のため、当時の政治環境から右傾という過ちを犯したとバッシングを受け回収され、残存数が少なくなっている。
かつて路線を誤った「紅一角」だが、今やコレクション界の寵児となった。
続いて、第4版は流通しているが実際あまり見かけなくなっており、一部はすでにコレクションの対象になっている。
ただ、新札の100枚連番といったものが中心となっている。
最後に、第5版の99年版はすでに発行が中止された上、「YUAN」表記がない最後の紙幣になる可能性が高いことから、昨年頃から高いプレミアムがつけられ、50元札は一時180元(約2,880円)前後まで値上がりした。
ということで、一昔前に中国を訪れたことのある人は、当時の財布や旅行に行った記録を辿ってお金が残っていないか探してみてはいかがだろうか。
思っている以上に中国の古銭には価値があるかもしれない。
第1版の人民元は内戦および建国初期でインフレが深刻なだけに、額面の大きいものが多かった。
1955年3月1日に第2版の人民元が発行され、同年5月に第1版の流通が停止。
そして、これまで合計5版の人民元が発行されている。
世界の紙幣のほとんどは、額面が1、2、5及びその10の累乗倍単位で、中国も基本的にそれに当てはまるが、唯一の例外は第2版人民元の3元札だ。
当時、ニセ札が横行し、その悪影響を軽減するため政府は5元以上の紙幣の発行を一時中止したのだが、1元札だと額面が小さすぎるため、3元札の発行を決めた。
また、中国国内には紙幣印刷の設備や原料が足りないため、3元、5元、10元の3種類についてソ連に印刷を依頼した。
しかし、1960年頃、中ソ関係の悪化を受け中国政府はソ連から原版等を取り戻し、1964年にソ連製の紙幣を回収。
その後、3元札は二度と発行されることはなかった。
これが幻の3元札と呼ばれるものだ。
現在、流通している人民元は第4版と第5版で、第5版はさらに1999年版と2005年版の2種類がある。
1999年10月1日に第5版人民元が発行されたが、2005年8月31日に1元札を除いて99年版とほぼ同じデザインのものがまた発行された。
中国人民銀行は、偽札防止技術や機械読み取りに対応する機能の強化のほか、裏面のデザイン変更として人民元の単位である「元」の英語表記「YUAN」を付け加えたなどを理由として挙げている。
しかし、中国国内では、偽造防止技術等の強化とはいえ、わずか数年で新紙幣を発行するのは不自然でコストも大きいとの見方が少なくない。
最大の理由は、むしろ人民元の国際化を進めているのに肝心の通貨単位の英語表記「YUAN」が抜けたという設計上のミスにあるのではないかとされている。
実際、同じ99年版紙幣でも、最も遅く2004年7月30日に発行された1元紙幣にはYUANの表記が付け加えられ、この1元紙幣だけ2005年改訂版が発行されなかったので、99年版は設計ミスという疑惑がかけられたわけだ。
そして今、引退した第1~3版人民元はコレクションアイテムとして脚光を浴びている。
特に第1版の希少価値が高くなっているのだ。
流通期間が短く、しかも全流通量の98%が回収された上、発行時の厳しい社会環境により紙の質が悪く毀損しやすいため、きれいな状態で残されているものは極めて稀なのだ。
現在、1枚単体で販売価格は最低でも1,000元前後で、62枚全部揃ったセットは2000年頃に20万元前後、最近では400万元(約6,400万円)にまで跳ね上がった。
そのうち「12珍品」と称される12枚は、1枚1万元以上の値がつけられ、その中に少数民族地区で発行されたモンゴル文字やウイグル文字の入ったものは特に入手が困難となっている。
その影響で、5千元札の「蒙古パオ」は70万元(約1,120万円)前後に達している。
また、第2版のうちソ連印刷の3元札、5元札、10元札は希少価値が高くなっている。
特に10元札については、月給数元しかない時代に発行されたため流通量が非常に少なく、1枚20~30万元(約320~480万円)の売値がつけられている。
一方、1962年に発行された第3版は、流通期間が約38年と長く量も多いため、単体で数十元か数百元にとどまっている。
ただ、その中に3大珍品と呼ばれる「背緑」、「背緑水印」、「紅一角」は別格だ。
裏面が緑色の「背緑」1角(10分の1元)紙幣は、似たような色合いの2角紙幣と混同されやすいため、わずか14ヶ月で使用中止となった。
五角星の透かしの入った「背緑水印」1角紙幣は発行量がさらに少なく、4~5万元(約64~80万円)の値がつけられ、第3版の中で最も高額となっている。
「紅一角」(赤い1角紙幣)は、表面に群衆が右方向に向かって前進するという絵柄のため、当時の政治環境から右傾という過ちを犯したとバッシングを受け回収され、残存数が少なくなっている。
かつて路線を誤った「紅一角」だが、今やコレクション界の寵児となった。
続いて、第4版は流通しているが実際あまり見かけなくなっており、一部はすでにコレクションの対象になっている。
ただ、新札の100枚連番といったものが中心となっている。
最後に、第5版の99年版はすでに発行が中止された上、「YUAN」表記がない最後の紙幣になる可能性が高いことから、昨年頃から高いプレミアムがつけられ、50元札は一時180元(約2,880円)前後まで値上がりした。
ということで、一昔前に中国を訪れたことのある人は、当時の財布や旅行に行った記録を辿ってお金が残っていないか探してみてはいかがだろうか。
思っている以上に中国の古銭には価値があるかもしれない。