上海で本格的な生活が始まったのが2011年5月だった。

当時からいつか体験するだろうなと思っていただが、ついにそのときが来たという出来事を今回は紹介しよう。


日本から郵送した荷物が会社宛に届いているので取りに来るように言われたので、取りに行くことにした日だった。

何度か紹介したと思うが、朝8時~9時の間はラッシュアワーでタクシーを捕まえるのも一苦労だ。

とはいえ、午後の予定が詰まっている日だったので、気持ちラッシュを避ける時間帯にタクシーを何とか拾った。


1台目に捕まえたタクシーは郵便局まで160元(約2,500円)かかるとのこと。

160元といえば上海市内から浦東空港まで(約1時間)程度の距離だ。

また、これも以前紹介したが、交通カードと呼ばれているICカード(日本のPASMOやSuicanoのようなもの)があり、地下鉄だけでなくタクシーも使えるカードがある。

そのカードがこのタクシーは使えないので、現金のみの支払いになると運転手が言うのだ。

そんなはずはないと思いながらも、降りて別のタクシーを拾うのもまた時間がかかるので、そのまま行こうと、とりあえずは乗った。


けれども、行き先を告げているのに運転手の言っていることがどうもおかしいので、やはりここは止めようという判断で降りた。


初めて荷物を取りに行く郵便局なので、そんなに遠いのかなと最初は思ったが、結果25元(約400円)程度で行ける距離だったことは後ほど知ることになる。


最近は感じのいい運転手も多いなと思うことも増えたが、中にはこういった運転手もいるので気を付けた方がいい。

知らないというのは、ときとして大きな損をしたりトラブルに巻き込まれることもあるからだ。

変だなと思ったタクシーはすぐに降りた方がいい。


さて、話がそれたが、その後2台目を捕まえようとするのですが、なかなか捕まらない。

15分くらい格闘した後、ようやく拾うことができ、ホッとしいていた矢先だった。


右車線を走っていた黒い中級のセダン車がやたら近いなとタクシーの後部座席から見ていたときだ。




「あっ!」



と叫んだと同時にコツンと当たった感触があった。


タクシー運転手はすぐに車を止め、当たった車の運転手のもとへ駆け寄った。

黒いセダン車の運転手は若い女性だった。


なぜ当たったのかはよく分かりませんが、フラフラしていたようにも見えた。

これはあくまで推測ですが、携帯電話をいじっていたのではないだろうか。



さて、そこからバトルの始まりだ。

タクシー運転手は若い女性相手に明らかに怒りの表情で必死に何かを叫んでいる。


というのも、タクシーの中に残されて窓も閉まっていたので何を言っているのかは聞こえなかった。

ただただ、片側4車線の真ん中にポツンと残されて、大丈夫かなという不安な時間を過ごすばかり。


そして、ときたま振り返り口論の様子を見る。


若い女性もあからさまに不機嫌だ。

一度はハーッとため息をついて運転席に戻ろうとしたところを、タクシー運転手が腕を掴んでちょっと待ったみたいな具合だ。



そこから5分くらいでだろうか。


ずっと見ているのも飽きてきたので、前方を向いて待っているとタクシー運転手が手に何かを持って戻ってきた。


すぐにポケットに入れたので定かではないが、おそらくお金だろう。


以前、タクシー同士で追突されたときに前のタクシーに乗っていた知り合いがいて、こんな話をしてくれた。


追突したタクシー運転手が前のタクシー運転手に20元(約320円)渡して、それで両者は何事もなかったように走り出したそうだ。


とにかく運転の粗さは上海を訪れたことのある人なら分かるはずだ。

そのうち事故に会うだろうなとは思っていたが、こんな形で初体験をするとは思ってもみなかった。


まあ、大きな事故ではなくてよかったわけだが。。