こんにちは、こんばんは。

s@bchannel の きくみんです。



昨日の夜この春に亡くなった母のことを考えていて、唐突に思い出したことがある。


それは私がまだ10歳にも満たない幼い頃多分7〜8歳くらいのこと。


家には母と私の2人でいた。

その時にいわゆる「おこじきさん」と言われる人(今で言うホームレスみたいな)が家に来た。その人は茶碗を片手に母にご飯を恵んでくださいと言うようなことを言った。

そんな人を見るのは初めての事で、私は怖くて物陰に隠れてその様子をじっと見ていた。


母はその人を家の台所に招き入れ、その人の持っている茶碗に山盛りのご飯をよそって「どうぞ」とその人の前に置いた。

その後母とその人の間にどのようなやりとりがあったのかは全く覚えていないのだが

母がその人にどうぞ食べてくださいとご飯を差し出したことを今も一枚の絵のように鮮明に覚えている。と言うか思い出した。



その人が帰ってから私は母に尋ねた。


「お母ちゃんなんであんな人にご飯あげたん?」


母は静かに「うちには田んぼも畑もあって何不自由ない暮らしをしとるやろ。そうやで人に優しせなあかんし、ご飯を食べさせてくださいって言う人が来たらどうぞどうぞっていっぱい食べてってもらわなあかん」と言った。


「けど、あの人がまた来たらどうすんの?」


「またご飯どうぞって食べてってもらうの」


「他の人が来たらどうすんの?」


「その人にもどうぞってご飯食べてってもらうの」


私は小さかったのでそんなものかなぁと思うだけだった。


50数年前の田舎町。

今よりずっと皆んなが貧乏だった。

私なんか、小さい頃ジャムがなくてパンに砂糖を挟んでシャリシャリさせながら食べた事もあるアセアセ

砂糖があるだけ良かったのか、、、


その日暮らしの人も多かったのかもしれない。




母は働き者で、竹を割ったようにまっすぐな性格で、陽気な人だった。


私も母のように、優しくまっすぐありたいな。。。


昨日急にプワっと胸に浮かんできた母の事。

備忘録です。