賃金切り離しの賞与計算 | 人事コンサルタントのブログ

賃金切り離しの賞与計算

 賞与について、今までは給与の月数と考課の結果で賞与の金額を決めていましたが、今後は給与ではなく新しく設定した等級と考課結果で決めたいと思っています。

 

そして、自分で計算できるようにしたいのですが、どうでしょうか。また、その際の注意点を教えてください。

  

 賞与を、賃金と切り離して、格付け等級と考課によって金額を決めるという考えは、良いと思います。

 

賃金は過去の積み上げで、年功や生活保障の分が入っているでしょうから、賞与に関しては、能力や職務によって決定した等級と期間中の考課で算出するという方法が良いと思います。

  

 問題は、等級の格付けの仕方です。現行の支給賃金を参考に格付け等級を決めてしまうと、上記の良い点がなくなってしまいます。
 

せっかく賃金と賞与を切り離しても、等級が賃金によって決まるのであれば、結局は賃金連動と同じになってしまいます。

  

 通常は、能力や職務グレード、役割になどにより等級を決めます。すなわち、等級はあるべき姿で設定するわけです。

 

その上で賃金をいきなり下げたり上げたりはできませんので、調整給等で現行賃金を保証します。

  

 このような方法で格付けをすると、過去の積み上げで賃金は多いが実際の仕事(能力)は低いので等級が低い人は、同じ考課でも賞与は少なくなります。賃金が低くて等級が高くなった人は、賞与は高くなります。

  

 これについては、賃金は高くて等級が低い人は、等級が低いにもかかわらず調整給等で現行賃金を保証しているのであるから、賞与については致し方ないということをよく説明します。

  
 必要であれば、新制度と旧制度の両方で計算してその平均を支給するなどの移行措置をとります。

 

新制度移行後1~2回は移行措置をとったとしても、その後はあるべき姿で支給できます。

 

 あとは、格付け等級の納得性と、評価の納得性を高めるようにすれば良いわけです。これはこれで大変ですが。 

 

 おっしゃるように、自分で考課結果がわかれば、賞与金額がわかるようになると良いと思います。
そうすれば、考課される人も考課に関心が高まり、上司もより公平に評価するようになっていきます。

  

以上、よろしくお願いします。

 

 

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