● 部門目標の考え方 | 人事コンサルタントのブログ

● 部門目標の考え方

 会社の目標や方針を参考に部門目標を作成し、これをブレークダウンして各人の目標を設定したのですが、実際の仕事とずれが生じて妥当性がありません。部門目標はどのようにして設定すればよいのでしょうか?(ある病院のWさん)

 まず、目標管理の考え方を確認しておく必要があります。 目標管理にはいろいろな運用方法があります。 今実施している目標管理はどのようなものかにより、若干違ってきます。

 ここでは、評価連動型目標管理ということで説明します。

 基本的には会社の経営方針をブレークダウンした形で部門目標を設定するということでよいのですが、会社の経営方針は「今までやってきたことやいつもやっていること」を前提に、今期特に重点を置いていこうということを掲げることが多くあります。したがって、「今期重点においていこう」ということだけをブレークダウンして部門目標を設定すると、部門によっては現実の仕事とズレが生じることがあります。会社の経営方針には揚げていないけれど、今までもやってきていることも、部門として当然ある一定水準で行う必要があり、これも部門目標に組み込む必要があります。

 以上のことを踏まえて、部門目標設定の手順を示すと次のようになります。

1 各部門部署には、会社の経営方針があろうがなかろうが本来行うべき役割があります。その役割が何であるかを明確にした上で、今期その役割をどの水準で実施しどのような成果を生み出すかを決めたものが目標になります。

2  会社の目標や方針が明確になっているのであれば、この水準や成果を会社の方針に沿って設定するになります。

3  また、今まで行っている仕事とはちょっと違うが、今期の会社方針に掲げられている内容で、部門の役割と関連するようなことも課題として目標項目に入れます。

 このように設定すると次のような目標が出来上がります。

● 目標項目は部門も役割を果たすための項目で達成水準は会社目標達成に貢献する水準。

● 目標項目・水準とも会社の経営方針をブレークダウンしたもの

私はこれを「役割と課題」と呼んでいますが、この役割と課題を明確にしてそのゴールを設定することが、評価連動型目標管理成功の秘訣だと思っています。

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著者: 猿谷 雅治, 大須賀 匡
タイトル: 新しい「目標管理」の要点―個人のやる気が組織を甦らせる