
ブログネタ:1番長い友達、何年の付き合い?
🌟🌟🌟🌟🌟
15年の付き合いがある。相手は若い男の子だ。
17年の付き合いがある。喧嘩をすればあたしが勝つ、でもつかず離れずなんとなくなじんで続いてきた。
19年の付き合いがある。出会いは共通の知人からの紹介だった。
丁度あたしがその人と知り合って数日のとき、その人とは前からの知り合いだった件の友がその人に電話をかけてきたのだった。
あたしのことを話題にし、その人は、あたしと知り合ったばかりであることを、
運命ですよ。
と表現した。友は、その言葉をなんだかそのまま信じて、知り合いに会いがてらあたしに会いにドライブをしてきた。あたしはその時から引っ越しをして、友のすぐ傍らで暮らすようになった。
つまり、あたしとしばとらの暮らしの始まりだった。
あたしとしばとらは出会ってしばらく数か月借り住まいをシェアし、
それから、しばとらが忙しくしてすれ違いが多くなったころからは、別に暮らしていた。
それでも、一週間に一度は、しばとらが訪ねてきて泊まっていった。
一週間分のおしゃべりをし、大いに遊び、一緒に寝た。
その日だけはちょっと贅沢にふたりで食事をした。作るのはしばとらで、味見はあたしで。
お風呂に入る間も、片方はちょこっと椅子にすわっておしゃべりを続けていたし、時には湯船を狭くして一緒に入った。
そのうち、半年もしたら、やっぱり一緒に暮らすことにした。南にベランダのある、南のリビングだけが明るい部屋に一緒にうつっていって、あたしは日の射し込む窓際におざぶをおいてくつろいで、台所から美味しそうなにおいがしてきたら、手伝いにかけつけるのが、毎日のことになった。
たまに喧嘩をしたら、あたしはソファで眠ったりもした。
しばとらは、不機嫌な時、ふんっふんって鼻息を荒くするんだけど、いつのまにかあたしにもその癖がうつって、喧嘩をしたらふんっふんってあたしが鼻息をたてながらとんっとんっとんっと歩いていくようになって、遊びに来る「しりあい」からはそれがおかしいと言われもした。
ドライブもよくした。
19年もつきあっている間に、とうとうあたしたちを引き合わせてくれた知り合いには一度も会うことがないままになった。
その人は、あたしたちに運命をしらせてくれただけだったのだろう。
多分、きっと、そうなんだろう。
