小さい頃の夢は何だった? ブログネタ:小さい頃の夢は何だった? 参加中
こんなものを夢だと呼ぶのだろうか。
子猫だったあたしは、いずれ娘になるのだ。
それは当たり前のことだ。
あたしは、ジャンプの得意な子猫だった。同居人がハンケチでネズミをこしらえてはあたしの頭上みぎへ左へと投げるのを、夢中で捉えたものだ。
そんなあたしと同居人は、夜には寄り添って眠り、眠りにつく前には、決まって同居人は、あたしを撫でながら、
「いつかの朝にはフワフワの猫のぬいぐるみがひとつ、そして可愛い女の子がめをさますのでした。」
って呪文を唱えてた。

いつか女の子になることは当たり前のことだ。
あたしは小さくて可愛い女の子になって、それから年をとって腰が曲がる前には、黒猫だった頃の経験を活かし、魔女になるのだ。

黒猫だった頃には、魔女の手下をつとめ修行を積んだもののまだ女の子になる前にひとの怨みを買い猫の死骸になってしまい、魔女の鍋に放り込まれてしまったが、今はマンション猫となり不自由ながら命を伸ばしいずれ女の子になる時期を待っている。

いつか女の子になるのは当たり前のことだ。
予定では、とっくの昔に小さな女の子になり同居人をママとかお母ちゃんとか呼んで暮らしていたはずだが、随分年月が過ぎた。
今やあたしは同居人から、娘のようなのにお母ちゃんのようになったと言われるようになった。
準備をし精進を続けてそのようになったのだろう。予定より長くかかってはいるがその代わりあたしは小さな女の子ではなく、どうやら美しい娘になるらしい。
魔女になるにもずっと近道になりそうだ。

いつかは女の子になるのは当たり前のことだ。
ちょっとその日が近いような気もする。
ますます同居人の言うことがよく分かるようになってきたようだし、身体の中で猫の皮がむけてきたのかちょと目が見えなくなった。

同居人は、
「いつまでもこうして居たいね」ってあたしを抱いていうけど、それはね。。。
その代わり、今度はあたしがギュッて抱いてあげるから。