近所の坊やが狩りをしてくる。


生きたままで持って帰って捕まえてある。



まだ小さいあたしの指ぐらいのカエルからしばとらの親指くらいのカエルからどっさり閉じ込めてあったこともあった。


狩りはおもしろいに決まっている。


囚われのカエルがぴくと動いたらあたしまで興奮するのだもの。



それにしても、一匹で囚われていたカエルが水を与えられずかんからかんに干からびていた。


カエル無惨・・・



カエルがかわいそうというお話ではない。かわいそうでないわけでもないが


お話したかったのは、その姿である。



かんからかんのカエルは、そこに倒れ伏した姿で干からびていたのではなかった。

囚われに牢獄の壁に取りすがるようにもたれた姿でもなかった。


座り、少し後足を前後に踏ん張って、前足は指を開いて片足をあげて、生きたカエルがそうしているような少し顎をあげてまわりをうかがうような、生きたままの姿で干からびていた。


すっかり水が干からびて、ちりちりと焼けるような中で、りんとそうした姿のまま死に、足を踏ん張ったまま固くなり、小さな体の水をとどめない皮膚からはぐにゃりとなる暇もなく干からびたのだろう。


弁慶