理想の起こされ方 ブログネタ:理想の起こされ方 参加中

いっとくけどあたしは、誰にも、どんな風にも、起こされなくていい!

あたし、すぐ起きるから。 いいにおいがしたらパチリって目が覚めて、すぐにとっとこ走っていける。
知り合いが、寝返りを打つときに、あたしをふんづけそうになった時も、気配だけでちゃんと目覚めて、御仕置きにかりかりっとかじることもできる。
知り合いったら、それでも目が覚めやしないのよ!

しばとらは、ねぼすけ。
寝ごとに寝がえり、夢を見て騒ぐ。
でも、あたしをふんづけたりはしないから、許す。
寝ぼけながら、撫でてくれるし、寝ぼけながらも、あたしを避けて寝がえりを打つから。

しばとらは、寝ぼすけで、ママに起こされても返事だけして二度寝。起きたのは夢だけの出席をとる声で目覚めればベッドなひと。

そのしばとらが、一瞬にして目覚めて脳みそもはっきりとしたことがあったそうだ。
激しく揺り起こされたという感覚だったらしい。




受験生だったころの話よ。
ひとりで座卓に向かって勉強していたはずの深夜。
夜中にトイレに行くのに遠いのがいやで、物音が家人の睡眠を邪魔するのを避けて、自分の部屋でない座卓の前でノートと参考書を広げていた。

だいたい苦手な教科は眠くなる。何度やってもとけない問いは上等の睡眠薬で、そのくせあきらめて寝る勇気も無いしそれどころか日数も時間もちゃくちゃくと無くなって行く。

ちょっとだけ眠って、起きたらいいだろうけど、若し眠れば明後日までねてしまいそうだし、そうでなくても朝までぐっすり眠ってしまって、起こされても寝ぼけていることだろう。

そんな・・・夜だったの。


背中の本棚にもたれて、眠り込んだ・・・どれくらいたってたかは覚えていないけど、突然ジョットコースターのような勢いで揺り起こされた。
そこに座っているという感覚でなく、ひとしきり何かに乗ってしがみついて飛んできたような風を感じる振動。

耳には、なんだかものすごい叫び声が聞こえた。

わあぁぁぁぁぁーーーーー

驚いて飛び起きた!

胸がドキドキしていた。 頭ははっきりして、すっきりしていた。

まだ真っ暗な深夜、あとは夜が明けるまで、朝を迎えるまで頑張れた。



飾り棚には、御仏壇スペースがあって、おじいちゃんがまつってあった。





そりゃあよかったね。
ねこなら誰だってできる。起きたてでもしゃっきりしてる。できない方がへん。
だけど、ねぼすけのしばとらをそんな風にしゃっきり起こしたのなら、そりゃあ理想的な起こし方だ。

で、起こしてくれたのは、誰?



ところで、思い出話をして、しばとらはレーズン入りのイングリッシュマフィンを焼いてたことを忘れた。
フライパンの中でマフィンは焦げて、不穏なにおいがし始めた。

しばとらは、お焦げをナイフでちょっとこそげて、マフィン用に切ってあったバターを挟んだ。
ちょっとためらって、たいそう黒くなったマフィンをすっかり食べた。
準備するはずだったミルクティは、後にすることにしたらしい。
あたしに分けてくれるはずのホットミルクも後になったようだ・・・