ブログネタ:タクシー運転手さんとのオモシロ会話
参加中「どちらへ?」
「(ところ番地:どこそこ)へお願いします!」
「・・・・・・・・・・・ちょっと沈黙・・・」
あたしが黒猫だった頃、そのころの同居人がたとえば大阪市内で友達と待ち合わせをし、タクシーで行こうとまだ慣れない独り暮らしのアパートがあるたとえば北河内(つまり市内じゃなく府内ね)のところ番地を言った。
「どういったらいいかわかる?」
「まだ慣れなくて・・・道はぜんぜんわかりません!」
「近くに何があるかな?」
「住宅街で・・・そうだ!! 近くに(たとえば)パミリーマートがあります!」
「そうそう! 近くに(たとえば)パミリーマートがありました!」
「にゃにゃにゃにゃ!にゃにゃにゃにゃ!」
「・・・・・・・・・・・・おおきく沈黙・・・」
同居人は地方から出てきたばかりで、たとえば大阪市内の職場付近しか知らず(たとえば)パミリーマートがいくつもあることを知らなかった。
地方から訪ねてきた友達も同居人のアパートの近くの(たとえば)パミリーマートが一軒こっきりの個人商店だと思い込んでいた。
子猫だったあたしだって、もちろん右に同じだった・・・
さて、その後どうやってそのタクシー運転手さんはあたしたちをアパートまで連れてってくれたでしょうか?
そのあと、しばらくの間・・・かなりのしばらくの間・・・運転手さん不在のタクシーがふたりと一匹の客だけを後部シートに取り残したまま道端に停まっていましたとさ。
運転手さんは、自分たちが行きたい場所への情報を何も持たない無知な客からはそれ以上聞き出すことをあきらめて、もっと経験豊かな運転手仲間をつかまえてそのところ番地への道順を把握するまで、うろうろしてましたとさ。
そんな状況でも、じゃの道は蛇。にこにこ戻ってきた運転手さんは、どこか別のところに連れていかれたところで分かりもしない無防備な客をのっけて、そしてときどき車を停めては、客でない誰かに道をきききき、目的の場所に連れて行ってくれました。
その途中では、(たとえば)パミリーマートがいくつもいくつもそれこそいくつも通り過ぎ、無知な客にもこれまでのいきさつの理由がわかりましたとさ。
そして、「あります!」と告げた件の(たとえば)パミリーマートを通り過ぎたとき、客たちは万歳を叫び、運転手さんは安堵と得意げな表情を見せましたとさ。
