21世紀の薬箱

真っ黒の猫ちゃんに誘われていってきました。

ロマンスグレーのきれいな先生が、御説明してあげているのを、あしもとでこっそり聞きました。

生薬は、漢方でなく当時最先端の蘭方なんですっておっしゃってました。



いまや漢方薬と言えばこれともいえるエキス剤の開発に関わった先生方のお名前の中に、あたしの師匠の師匠の名前を見つけました。

大切に保存された生薬のもちのよさを読み、いい加減な保存だと一年もしたら薬未満の品質になってしまうことを思うと、去年のロットで上質値段だったのが、同じ値段!でやってきて中身は薬未満にかろうじてならなかった程度で、買い受けることのばかばかしさを思いました。

それはそうと、博物館のカフェの出口あたりでいい香りがするのはこの木のせいだろうか?と首をひねっているおじさんがいました。

なんだかハーブのような、薄荷とは違うっぽいけどちょっとしーんとしみるような、そしてなんだか甘く優しい香りがしていたみたいです。

その木はタイサンボクで、花が初夏に咲く、香りのいい樹だと記載されていたので、樹皮からか香るのかと思ったようです。
ママの庭のタイサンボクの花が香るのは覚えていますが、樹の香るのは記憶にありませんでした。

そこらには、ヒイラギモクセイもあったし、時期的に花の終りの香りの残りかとも思ったけれど、香るほどに花も散り敷いてはいませんでした。

カフェの方もそういったことはわからないということで、結局なぞのままでした。


おじさんは、ちょうど同窓会があったらしく、ついでに寄ったらしいのです。

あたしは、おじさんの脇を駅に向かって歩き、二次会に出席のおじさんと別れて駅に入りました。