今日は、ソウジュツ という生薬の刻みが入ったので、規格試験のひとつである精油がどんだけ入ってるかという試験をしました。


我がアルバイト先の設備は、非常に前時代的であるので、つまり、アナログでとっても使いやすいけどあちこちがたが来ていて、接触が悪かったりコックが外れていたりで、付きっきりで相手をしてやらなければなりません。


ということで、精油をかすかすになるまで取り出すという加熱時間は、他の事はほぼ何もせず、温度計をにらみ、フラスコの煮立ち加減を見つめていなければなりません。


試験室の天井には、伝説の噴出のあとが生々しく残っています。


目を離して再びこのようなことが起こったらと思うと決して目など離せません。



いったいどのような試験なのか簡単に表現してみましょう。


湯を沸かして生姜の薄切りを入れて煮立てると、いい匂いが立ち上るでしょ。これが精油です。

沸騰してガンガンでてくる水蒸気に連れられてふわふわと漂うからいい匂いがするわけです。


お鍋では、ふわふわと精油は漂い出て行きますけれど、試験では立ち上る水蒸気を逃がさず導いてその先で冷して水と精油の混じった液体にもどします。


水と油が混じっているので、薄ぼんやりと濁っています。

クリームのようだけどもっともっと水っぽい、コーヒーフレッシュよりまだ水っぽい、コーヒーフレッシュを水に落としてくるくると掻き混ぜたような液体です。


ここにどれだけの精油が入っているかを知るためには、水と油をきちんと分けなければいけない。


濃いクリームなら揺すっているうちにバターは分離するけれど、コーヒーフレッシュではそうはいきません。

それよりもっとうすいのだからますますそうはいきません。油同士が集まる事が出来ないほどの大きな水の隙間がありすぎるのです。


この集まりたがらない量の精油を1つに集めるためには、あらかじめたっぷりと油を用意しておき、そこに薄ぼんやりと濁った混じり物を落としこみ揺すっていると精油は油に触れるたび触れるたび油に溶けこみ水と分けられていきます。


そうであるので、あらかじめたっぷりと用意しておく油の分量をきっちりと量って入れておくと、油に捉まえられた精油の分だけその量が増えます。

用意した油と捉まえられた精油の量から、あらかじめ用意した油の量を引いて精油の分量を量ります。


ぐつぐつと5時間煮つづけて、次には火を引いて油と水が分離するまで1時間ぐらいそっとしておく。

煮立つまでは温度が上がりすぎて吹き上がらないか、とても心配でそっとそっと時間をかけて熱くします。

それから五時間はそこから離れません。

トイレにも立たず昼休みも取らず装置を見つめ続けます。←この苦行は、装置がポンコツだからなんだけどね・・・


だから、この試験は丸一日。



データ整理や、次の試験の準備や、掃除や・・・あれこれ・・・

普段ならあれこれと並行してやっちゃいますが、この試験だけは、見つめ待つのが(そして微調整をし続ける事が)仕事。


ゆっくりと時間の流れる一日です。



そしてその日が終わる頃には、じっとしているのに飽きた頃ですが、既に終業時間も間近!


今度は、超急いで、後片付けですぅ



今日はそんな日、これに絡むあんな事こんな事とんでもない事はまたの報告として、平和に試験をした一日でした。