お湯にゆったり入るだけなら、慣れたうち風呂でいいのさ。
いつだって自前の毛皮でどこででも寛ぐ猫には、お風呂と眺めのセットなんかどうだっていい。
だけど、いつだった?知り合いと出かけた北海道の川湯温泉。
牙もとろけそうな、酸性湯のかけ流し。
ジャブジャブと流れっぱなしのお湯を褒めると、宿の方は、
仕方が無い そういうものだもの 止めようも無い
とにこにこしておられた。
かけ流しとはいえ、夜間はちょこっと湯量を絞るとか・・・ないない。
いつ入っても同じ。お風呂場の床は湯の花に飲み込まれそう。
その湯の凄かったのは、ストレスを感じると皮膚が湿り、座りっぱなしのお尻が赤くただれそうになってくる性質の知り合いが、その一回の旅行その川湯での湯治で、3年分の夏を快適に過ごせたこと。
湿って、嬉しくも無い菌が繁殖していたのを、皮膚を傷めずすっきりさっぱり消毒して、まっとうな常在菌が改めて増えなおしたのだろう。
これこそ温泉の本来の効用。
猫は天に任せてどこででも寛ぐ。
天に任せて、風にふかれる。
天に任せ、地に任せて、かけ流しの湯に癒される。 そろそろまた連れてって欲しいものだにゃ。

