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知り合いの車の隅で丸くなり、「とことん眠い」雨の日の猫だ。
空はぼんやりと春色に曇り花と溶け合う色である。

車は、知り合いの出張に向かう緊張、とあたしのまどろみを乗せて、ルルロォルルロォと走っている。

門先の満開の山桜に送られ出発し、今は目の前にはどこやら富士と呼ばれる山影がにじんでいる。

数日は旅烏ならぬ旅猫となって、見知らぬ土地を肉球に覚えさせてくるつもりだ。