今日は雨だ。雨だから、猫はアルバイトには行かない。ずっと昔からそう決まっている。


同居人が、ちょっと出て、「知り合い」と会ってきた。

お弁当を届けたらしい。あたしは、ふわふわと眠くて行ってらっしゃいはしっぽを振っただけ。


帰ってきて話すことには、


「知り合い」が折角バレンタイン(義理)チョコを貰っているところへ、ボスが通りかかり、


「お・・・●▽□(「知り合い」呼び名)は、糖尿病やで。」


と声をかけたらしい。こんな局面で影響のある個人情報を!!と思い、


「や、もう治りました。薬も要らんと言われました。」


と返したという。


甘党だが、「知り合い」はそう大量には食べやしない。何も食べてはいけないものなどない糖尿病のそれも今はなんとも無いところへ来て、年一回のお楽しみを奪われてなるものか。


そんな鼻息が聞こえるような話だった。



糖尿病は、食事制限が厳しいとか、食べられないものが多いだとか、食事療法にいそしむ人は思いがちだ。

なんとか、ただ食いすぎているものを、他の何か特別な素材で帳消しに出来ないかと悪あがきをしたり、なんとか超効果的な運動器具を捜して、短時間でカロリーを消費しようとする。


けれど、糖尿病患者に食べられないものなんて無い。

ただ、一日一日バランスよくきちんと食べさえすればいいだけだ。

食後に、急な血糖上昇を持続させないために、食事の後にはしっかり散歩をすればいいだけだ。


あたしは、漢方薬が好きで、何かと漢方薬で対処するけれど、「知り合い」の糖尿病には、「同居人」の協力を邪魔しなかっただけだ。


腹いっぱい食べたい気持ちを満たすためと血糖値の急上昇を避けるために、カロリーを取り過ぎないように肉や魚や油の量を決め、ご飯やパンの量を決めて、足りな感を埋めるだけの大量の野菜料理を用意する。

調味料でカロリーを心配したり、おかずが進むとご飯も進むような濃い目の味付けをしないよう気をつける。

手作りでなくても構わない。飲食店での外食を減らし、コンビニのおにぎりや、個食サイズのハムや豆腐やおでんを利用して、何とでもなる。


そして、通勤に徒歩を組み込む。


それだけで、即刻、精密検査を受けよとまで言われた危機的数値を出していた「知り合い」の糖尿病は、1ヶ月で、らくらく様子見になり、また3ヶ月を空けての検査では、赤血球の砂糖漬け率がまだ高いながらもばっちり改善した。

検査の前には、魔の年末忘年会シーズンをごく当たり前に過ごしていたというのにだ。



さて、片や、年齢も若い同病の人は、糖尿病の権威とやらにお世話になっているらしいというのに、具体的な運動の処方も貰えず、カロリー制限の具体的方策ももらえなかったようだ。

ただ、延々と投薬をされ、検査数値を様子見されているばかりである。すでに一年を過ぎる。


内緒の話だが、糖尿病の権威とやらといわれる先生の癖に、碌に患者が実行できる具体的な指導も出来ず、さっさと今流の早めのインシュリン注射を導入して、体重管理はしてもやれず、糖尿病関連の血液検査の値ばかりを見かけ上良くするだけで、患者を饅頭のように太らせて、他の病気の下地を作って(おいおい、次の病気を作って医療費を払わせる魂胆かい!)いるような、医師も結構いるらしい。


ところで、「知り合い」はちゃんとチョコレートをもらえたの? 


もらえたらしいよ。