朝の手指のこわばりの原因は、更年期だけじゃない

 今日、中年の女性がお薬の相談に来られた。「朝起きたとき、手がこわばって動きづらい。」とのこと。更年期の方に多い症状で、私も15年ほど前に右手親指の腱鞘炎になった。使い痛みではなく、女性ホルモンが急激に減少したために起こる病気だ。半年ほど治るのにかかった。閉経だから仕方がない面もあるが、実は、50才頃の女性にありがちな、生活スタイルの変化が、この病気を悪化させている可能性が高い。子どもたちが、大学や就職で家を出て、都会で1人暮らしを始める。子どもたちの食事の世話から解放されて、自分だけの食事なら手抜きでいいやと、冷蔵庫の残り物で済ませたり、お菓子で済ませたりする。私も、その頃、夫が出張で県外に行くことが多く、夏の暑さで食欲も無かったので、三食菓子パンとサラダの生活をして体を壊してしまった。とにかく、体が冷えて、関節が痛い。肩こりもひどく、お腹の調子も悪かった。今思えば、小麦粉、砂糖で、体を冷やし、お腹をこわし、タンパク質やミネラル、ビタミンも摂れていなかった。その後、ご飯と味噌汁と野菜と魚の生活にもどし、冷えや痛み、お腹の不調は消えていった。
 お客さんに、漢方薬をお勧めした後、「肩こり、首こりでも手に行く血流が悪くなるので、ホッカイロで首や背中を温めるのも良いですよ。」とお伝えした。その後、サプリメント売り場で亜鉛を手に取っているところを見かけ、お声がけすると、「亜鉛が足らないかもしれない」とおっしゃるので、「サプリメントより、食品で摂るのがいいですよ。貝や魚に含まれてるので、私は貝を週1で摂るようにしています。子どもが巣立っていくと食事が手抜きになる人が多いんですよ。私も菓子パンで体壊しました。」というと、彼女も、「夫に魚焼いても、自分は残り物で済ませたりしてます。やっぱり栄養が足りてないんですね。」私、「体温を保つための燃料が足りてないので、きっちり食べるようにしてくださいね。特に、緑黄色野菜、大豆、小魚、海藻は、毎日食べてください。」「豆腐は?」 と聞かれたので、「豆腐も良いですが、種丸ごとのほうが、生命活動に必要なエネルギーが全て入っているので、いいですよ。冷凍枝豆でいいので食べてください。煮豆も良いけど、緑で葉酸も入っていますから。」 食事でよくなると分かって、喜んで帰って行かれた。私もお役に立ててうれしかった。