膀胱炎を治したい   ー症状を抑えたら悪化するー

 中年の女性の方が来られた。排尿痛と頻尿で、膀胱炎の漢方薬を飲んだが、前ほど治りが良くない。変えたほうがいいか迷っている。友達に会うので、しょっちゅうトイレに行くのをなんとかしたいと言う。「漢方薬の頻尿に効く薬はどうですか」と言うので、「それは、お年寄りの薬です。お客様はまだ早いです。」と答えた。
 どうやら、症状を抑えたら、治ったことになるという発想のようだ。そこで、「頻尿は、早く悪い菌を体の外に出そうとして、起こっていることなので、良いことなんですよ。どんどん、水分を摂って、おしっこと一緒に悪い菌を出すほうが、早く治りますよ。」「体を冷やすと免疫が下がるので、お白湯とかスープとか温かいものを飲んでください。体を温めて水分を多く摂るだけで治る人もいますから」と付け加えた。
 元々の原因は、冷えや疲れ、ストレス、栄養不足なのだから、表面的な症状を抑えるより、体を温めたり、睡眠を十分取ったり、くよくよ考えたりせず、しっかり栄養を摂る必要がある。
 体がしてくれてることは、いいことだという考えを持ってほしい。排尿時の痛みがあるから膀胱炎に気づくし、炎症を起こして、痛んだ組織を治そうとしている。そして頻尿になって、早く細菌を体外に出している。体がちゃんと、元の健康な体に戻そうとして頑張ってくれている。もっと、自分の体に感謝してほしい。いつもありがとうと声をかけてあげてほしい。