電車でお兄さんに絡まれる、「えっ、なんで!」   ー無条件に人が好きー

 先日東京に行った時、地下鉄から降りようとして若いお兄さんに絡まれた。満員で、乗った時と逆側の扉から降りることになり、前にいた背も高く、横幅もあるお兄さんに、「すみません、降ります」と声を掛けた。すると、ちょっといらっとしながら、「僕も降りるんですけど」と言う。お兄さんの前に行かなくていいので、お兄さんの後について、電車から降りた。すると、お兄さんが私のほうを向いて、「こんなおばさんが一番うっとうしいわ」と言った。私は、びっくりして、「えっ、なんで?」と答えた。お兄さんはさっさと改札に向かい出て行ってしまった。
 お兄さんは私の何に怒ったのだろう。自分も降りるのに、私が焦って後ろからすり抜けようとしたことに腹を立てたのか。私には、この電車から降りれずに、講演会に遅れたら困るという焦りがあった。お兄さんは、どの駅でどれほどの人が降りるか、予想がついていたので、焦って言ってくる私にいらっときたのかもしれない。そもそも、お母さんと同年代の私になんか言われただけで、むかついたかもしれない。
 昔の私なら、「うっとうしいわ」と言われて、「何言うてんねん」とブチ切れるか、怖くなって黙るかしてたなと思った。でも今日は違っていた。「えっ、なんで?」と素直にお兄さんに話しかけたのが不思議だった。なんか、小学生みたい。素直に彼に聞いていた。 人に対する恐れがない。そのことに驚いた。私って、本当に人が好きなんやな。トラウマや恐れがなくなると、こんなにも、天真爛漫な私が出てくるんや。
  人の本質は愛だというが、愛とは「無条件に人が好き」と思えることなのかもしれない。