痛みとは何か

 先日、中年男性がロキソニンを買いに来た。医者からもらった薬が切れそうなので買いたいと言う。腰が痛くて眠れず救急車で病院に行ったら、脊椎が5ミリほど剥離していたそうだ。ロキソニンを処方され2週間くらいで治ると医者に言われた。
 以前からロキソニンを飲むと薬疹が出るそうで、今回は少しましだったが、気持ち悪いのでロキソニンを買うのを迷っているとのこと。私、「薬疹が出るなら、ロキソニンは飲まないほうがいいです。痛みに耐えられるなら、薬飲まないほうが早く治りますよ。」というと、「夜寝れないので薬は飲みたい。」という。私、「ではイブプロフェン試しますか。ロキソニンより弱いけど、アセトアミノフェンより効きます。ただ、痛みは体からのサインで、動かずじっとして自然治癒力で治すのが本来の動物の姿で、犬や猫もそうして治してますから。」というと、「それはそうかもしれんけど、仕事もせなあかんし。」と答えが返ってきた。
 彼は、「医者が、レントゲン見て、5ミリ剥がれてると言ったのに、そのままで手術もせんと痛み止めだけくれたのがどうも分からん。なんもせんでええんかいな。」私、「痛み止めで治るんじゃなくて、自分の自然治癒力で治してるんですよ。痛み止め飲んで、炎症抑えたら、炎症起こして、血を集めて、傷ついた所を治すのを、遅らせるので、いつまでも治りませんよ。痛みは悪いものじゃなく、これから治していくサインで、良いことなんです。」すると、彼は、「医者はそんなこと全然教えてくれんかったけど。」という。私、「医者は全員、医学部の授業で病気や怪我を治すのは、その人の自然治癒力やって知ってますよ。でも、それを言うと、患者が減ってお金が入って来ないから言わないだけです。医者が2週間くらいで治ると言ったのは、ロキソニンで治るんじゃなくて、自分で治すことを言ったんです。」
   最後に、「痛み止めはなるべく飲まず、耐えてください。そのほうが早く治るから」と言って送り出した。痛みを味わってみてほしい。