映画「ゴジラマイナスワン」が

第96回、アカデミー賞の視覚効果賞をとった、

ということで、再上映になり、昨日、映画館まで、見に行きました。

 

山崎貴監督が色んな番組に出て、

映画の特殊撮影を説明し、人柄もよく、

私は、映画の仕上がりに期待を持ちました。

 

ゴジラの場面は、すごかったけど、

人情部分は退屈で、

ゴジラの攻撃は、原爆に似てるのに、

広島、長崎の原爆投下の話は出ず、

不可欠な「天皇の終戦のラジオ放送」はなく、

やたら口をはさむはずのGHQが一人も出てこない違和感。

 

安藤サクラ演じる隣人の女が、

特攻から逃げた浩一(神木隆之介)を責めるけど、

戦場の出来ごとは、市民に知らされることはなく、

実際の戦中は、「徴兵検査」に受からない人が責められ、

戦地に行って、生きて帰ってくることは、

問題なかったと思うんだけどなぁ。

特攻であからさまに逃げたら、

それはそれで、上官に殺されますよ。

 

引き上げ船に、けが人もなしも、変なかんじ。

 

典子(浜田美波)は、赤子を預けられたといって、

育ててる設定だけど、

戦後、捨て子、戦争孤児は、

そこら中にたくさんいて、

みんな自分のことで精一杯で、

見知らぬ子供を助ける気力は、

あの当時、ないんだよね。

 

爆撃で吹き飛ばされた、典子は、

包帯がない部分は、きれいな肌をしてて、

色んな破片とかで、傷まみれになってないのも現実味がない。

 

あんなに母を恋しがってた明子が、再会では、

全然、母のベッドに寄り付かず、

そっぽむいてて、ミス映像でしょ。

そこは、3人で、抱き合ってほしかった。

 

いろいろ、つっこみどころ満載。

 

 

私だったら、この映画を、こう手直ししたい

特攻隊の浩一は、ゼロ戦を操縦中、違和感を感じ、

修理基地へ着陸する。

だが、機械に異常はないと言われ、浩一は困惑する。

もう、これを数回繰り返していた。

浩一は、特攻したかった。

年配の整備士(映画に登場しない・笹野高史的な俳優で)が声をかける。

「若い者は、すぐ、死にたがるが・・・」

年配の男たちは、戦前の生活を知ってるので、

死に急ぐことは否定的だった。

「みんな、大切な人のために命を捨ててるんだ。

キミは、守るべき人がいなくて、心の奥底で死が怖いんだよ。

だから、錯覚を見るんだ。

この戦争は、もうじき、日本が負けて終わるだろう。

大切な人を見つけ、その人のために生きなさい」

と年配の男は言い、家族の写真を浩一に見せた。

「妻と子供たち、下の子は、まだ産まれたばかりなんだ。

はやく、会いたいよ」と。

 

その基地にゴジラが現れ、

「生きて帰りたい」と言ってた年配のその男性もふくめ、

多くの仲間が死んだ。

止めてある、ゼロ戦で、反撃したが、効果はなかった。

 

浩一は、自宅に戻ったが、焼け野原だった。

浩一の両親は死んだという。

子ども時代から世話してくれてた、

となりの気丈な奥さん澄子(安藤サクラよりも、菊地凛子がいい)は、

掘っ立て小屋を建て、食べ処を経営していた。

浩一は、家がないので、そこに同居してもらうこととなった。

 

浩一は、探せど、仕事が見つからない。

ぶらぶらしてると、少女(セーラーにモンペ姿)が、

赤子を物陰に置き、立ち去るのが見えた。

あの、年配の男の赤子の話が頭をよぎり、

無意識に、その赤子を拾い上げ抱いていた。

そこへ、食べ物の調達からもどった少女が、

「私の妹を返して!」と、怒って来た。

少女は、14歳くらいで、典子といい、

両親、兄弟を空襲で亡くし、

身内は、この赤子だけだという。

戦争孤児狩りから逃げていて、

施設に入れられれば、赤子である妹とは引き離されるだろう。

 

浩一は、2人を連れ帰り、

澄子は、あきれたが、同居を許した。

典子は、いずれ、仕事を見つけ、

妹を連れて自立しようと考えていた。

そうしたある日、典子が、わずかなお金を持ってきて、

いままでの生活の返済を澄子に渡した。

浩一は、典子が体を売って稼いだんじゃないかと疑ったが、

街中の事務の仕事に就いたのだというのだった。

浩一は、あいかわらず、仕事がなく、

典子の代わりに、明子のめんどうをみていた。

 

ゴジラが再び現れ、

以前、ゴジラと闘ったことがある浩一が

政府に呼び出された。

浩一は、ゴジラ撃墜のメンバーに加えられ、

お金が入るようになった。

 

浩一は、戸建ての家を建てた。

浩一は、澄子と典子、明子と住もうとしたが、

澄子は、

「世話になりたくない。私なりに のしあがってみせる」と、

掘っ立て小屋の店に住み続けた。

典子も遠慮しようとしたが、

幼い明子は、浩一を父と思い、離れたがらなかったので、

一緒に住むこととなった。

 

ゴジラが、街を襲った。

ふだん、典子が通勤につかっている電車が、

ゴジラの口にくわえられるのが、

ゴジラ撃墜隊とともに、調査に来た遠くにいる浩一の目にも見えた。

浩一は、典子は、巻き添えになって死んだと思った。

 

典子は、海に落ち、死ななかった。

典子は、妹の明子が心配になり、自宅に走った。

ゴジラは、向きを変え、偶然にも、

典子のいる方角へ向かってきた。

浩一は、逃げる集団の中に典子の姿を見つけ、かけよろうとした。

典子も、浩一の姿が目に入り、安堵でかけよった。

手がふれたと思ったら、逃げてきた男の肩がぶつかり、

浩一は、建物の陰に突き飛ばされた。

と同時に、ゴジラの爆撃で、

典子は、爆風とともに姿が消えてしまっていた。

浩一の手に、典子の感触が残り、

つかんで助けられなかったことを悔やんだ。

浩一は、いまさらながら典子への愛を自覚したのだった。

 

ゴジラ撃墜作戦が決行され、

とどめに、浩一は、ゼロ戦で「特攻」することにした。

死んだ年配の男の言葉がよみがえり、

『みんな大切な人を守るため死んでいってるんだよ』

の意味を、しみじみと感じた。

浩一は、

「ごめんよ、明子。澄子、明子をよろしくな。

典子、あの世で、しあわせになろう」

と、つぶやき、突撃した。

 

ゴジラの口で爆発が起き、

そして、

浩一は、自身が死んでないことに驚いた。

 

整備の基地で、𠮟責してきた男、宗作(青木崇高)が、

とあるタイミングで、パラシュートが出る仕組みにしてたのだった。

死ぬ気でいる浩一を察して、こっそり小細工してたのだ。

宗作は、「いまは、特攻の時代じゃないんだよね」と、

生還した浩一を遠くで見ながらつぶやいた。

 

以下、映画と同じ。