母は昔から悲劇のヒロイン体質でした。
浮気されて1人この町を去る女を演じようとしたり(束縛強い女だから出来なかったけど)、脳腫瘍の親友を失う女(ほぼ見舞いに行かなかったけど)や、脳腫瘍を患う女(ただの偏頭痛で毎回MRIを撮るだけ)、娘を難病で失うかもしれない母親(宗教の場での体験談のいいネタになってただけ。ほぼ見舞いにも行かない)ってのもあったな。
とにかくいつもテレビに影響されて「1番可哀想なのはワタクシ!」みたいな素振りをしていました。
最近では夫に浮気された女ってのもあったけど、それは浮気ではなく私への性的虐待。
それを父に確認したがるのはただただ「あなた!私以外の女とやらしいことしたでしょ!?」と確認したかっただけで、決して「あなた!娘にやらしいことしたでしょ!?」ではないのよね。
あとは膝が悪くて歩けないってのもあったな。
病院の先生は手術したがり、リハビリの先生はまずリハビリでかなり良くなるはずだからサボってないできちんとリハビリしてほしいと思っていて、妹は認知症が進むし膝の手術で歩けなくなる人もいるから手術に反対していたんだけど、縁切ってる間にまんまと病院の先生に手術してもらい、思った通り認知症が進んだ挙げ句足が酷く痛い状態らしいのよね。
手術!→ヒロイン!みたいな図式がある人だからとにかく手術が好きで。
違う病院で
「手術の必要はない」
と言われて病院を変え、
「手術したらいい」
と言う先生を見つけてって流れなんだけど、正直自業自得としか思えない。
その上注目されたがりだから、手術の時は妹以外の人に言いまくり
「大丈夫?」
「気をつけて」
「早く元気になって」
などの言葉も順調に引き出していったらしい。
認知症も「何もかも忘れてゆく気の毒なワタクシ」の話だからみんなにしていました。
「誰にも言ってない」と言ったその日に近所の人に話しているのを聞きました。
最近は認知症が進み祖母だけでなく祖父が亡くなったのも忘れて「お葬式に呼ばれなかった!可哀想なワタクシ!」を頻繁にやってるらしい。
先日も
「お父さんがおばあちゃんはもう死んだと言う。嘘よね?」
と妹に連絡し、妹が
「死んだよ」
と言うと
「私はお葬式に呼ばれてない。わーん」
と号泣したそう。
もうなんか号泣というか、マンガみたいな泣き方だったらしく、妹は白々しい演技だなと思ったんだって。
これも慰めてもらいたかったんだろうね。
母の妹や弟にもそのための電話をかなりかけてるけど、みんなもう電話に出なくなってきてるのよね。
当たり前だけど、同じ話を繰り返しで5分と経たずにまた元の話に戻る不毛な電話に出たいとは誰も思わないよね。
みんな母ほど暇じゃないし。
流れとしては
「ばあちゃん死んでないよね?」→「死んだ」→「なぜ私は葬式に呼ばれなかったのよ?」→「来てたよ」→「覚えてない。行ってないはず」→「いや来てた」→「そうかな?」→「そうだよ」→「さっきもねちびさんが来てて」→話変わるんかい「そうなの」→「昨日はおばあちゃんが来てて」→「は?」→「そっちに行ってない?ばあちゃん」→「いや、死んだし」→「誰が」→「ばあちゃん」→「死んでない」→「死んだよ」→「なら葬式は?」
とものの2分でふりだしに戻る上にエンドレスで2時間以上だから電話に出たくなくなるのも当然だよね。
こんな人、誰もそばにいたいと思わないけど毒父はイライラしながらもそばにいる。
毒父自身に他に頼れる友達とかもいないしね。
世の中の嫌われ者同士毎日ずーっと一緒にいるしかないみたい。
母は人の悪口がすごくて話を聞くのも辛いくらいなんだけど、悪口は言わずにはいられないみたい。
でも今は聞いてくれる人もいないのよね。
私のことは忘れてるし、近所には悪口のネタになる人はいても悪口を話したい人はいないし、友達にはいい格好するから話せないし。
必然的に毒父に話す→キレられる、を繰り返しているみたい。
まあ娘が毒父からの虐待を訴えたのにそれでも一緒にいたかったくらいなんだから多少キレられても一緒にいるがいいさ。
私のことは忘れてくれてよかった。
また難聴になっても嫌だし、このまま忘れ続けてもらいたい。