別にテンパッテル訳ではない。
すぐ近くで切れ目の男が寝ていたからだ。
シャブの切れ目といって寝ていても、完全に抜けていない。
だから耳だけ起きてる場合も多いものだ。
もう1週間は泊まっている。
私達2人はいい加減にウンザリしていた。
タカリの一種で、ネタの試し打ちとして、たまにこんなのがいる。
自分の試し打ちには銭は取らない。
まるで詐欺師のような末端売人だ。
亭主は
「起きたらアレを打たせろ・・・・」
「そうね、わかった・・・」
そんな短い会話だ。
アレとはアンナカだ。
女を淫乱にさせる。
男は獣になる。
こんな所でくすぶって寝てはいられないだろう。
アンナカ・・・・
混ぜものだが、これを目当てとするポン中は多い。
私の記憶が間違っていなかったら
オ○ム教団で作ったものは妙に汗ばかりかいてキレが早かった。
世間では、それなりにいいと言うのもいたが、シャブも人を選ぶのか・・・
アンナカは医者から貰ってくる。
普通の医者ではない・・・・・
アンナカに少しシャブが入ってる状態のモノを用意した。
末端売人は目が覚めると言う
「目覚めにもう少しだけいいですか?」
「あら、遠慮しないで」
少しふてくされた顔で言っても通用しない男だ。
亭主がチラッと私を見た。
シリンダーに直接入れて作る。
「これ今度入ったの。試してみなよ」
男は嬉しそうな顔で腕を出して血管を探している。
タコだらけだ。
一度写真に撮りたいくらいの腕だった。
人の事は言えない
私も酒を飲むと、シャブを打った場所がアチコチに、赤い斑点のように浮き出るので真夏でも長袖を着ていた。
まるで何か悪い病気にでもかかっている様だ。
見せられたもんではない。
私は台所でアンナカの多いシャブを作っていた。
そのポンプを渡すと、立膝に腕を乗せた男が受け取る。
私はそれを静止して見ていた。
男のどす黒い血が吸上げられる。
(入ったな・・・・)
シリンダーを押して入れた
私にポンプを渡すのだ。
これは余ほど効いてるんだ。
いつも自分で洗う男が立てないで渡すのだ。
亭主は下を向いて金の勘定をしていた。
私はそれが意味のない金勘定だと知っている。
亭主は内心笑っていたのだろう。
でもそう言う事を顔に出さない男だった。
末端売人の額から霧をかけたような汗が吹き出している。
目はぎらぎらと光っていた。
亭主がおもむろに売人のアソコを握った。
タマが上がっているのだ。
かなり効いてる。
売人は「辞めてくださいよ」と照れながら言うが、私達には分かっていた。
そそくさと、用事を思い出したと言って帰っていく。
大概がこのパターンだ
何かにつけて「用事を思い出した」
なんて都合のいい言葉だったのだろう。
女のところに行ったのは間違いない。
私も同じモノを打ってみたくなった。
亭主に聞いたら
「外のカギを閉めて来い」と言う
亭主も触発されたのか。
私達は打った。
その直後からネタ屋どころではない。
獣のごとくうごめき、快楽の坩堝にはまってしまった。
世の中にこんな快楽があるから、人間を辞めたくなるのだ。
その効果は半端ではない。
勝手にアソコがモゾモゾとして、自分で触ってしまう。
触りたくなくても手が勝手に行く・・・・・
亭主はそれを見てニンマリしている。
2人でシャワーを浴び、風呂場でセックスを何時間もしてる。
それからベッドに移動して、又シャブを打つ。
(シャブを打ってる間は少しシラける)
亭主は中々入らないみたいだ。
私が仕方なく刺す。
その血もドロっとした汚い血だ。
ポンプを4本作ってベットの頭の上に置いていた。
そうやっているポン中は多いはずだ。
何度も作るのは面倒だ。
特に下ネタの場合は。
2日のセックスでかなり痩せるのが分かる。
食べないでやりっぱなしだ。
私達は開店休業のネタ屋になっていた。
キリがないほどに快楽を楽しむ。
普通のセックスでは有り得ない事だろう。
しかし、唐突に客が来れば中止できるのもシャブだ。
また、後で打てばいいや・・・
濡れたままで客にモノを売るのは気が引けた。
亭主は何だかスッキリした顔をしている。
「ねえ、もうやらないの?」
「・・・・・・作れ・・・」
私達は末端の昼寝してる売人に何も言えない。
きっと同じ事をしているのだろう。
そう思うと笑ってしまう。
男のあそこは効き目が強いと小さくなる。
筋肉や血管の収縮だろう。
それがやってると大変なものだ。
これ以上書くと官能小説になってしまう。
辞めておこう・・・
ポン中の皆様の方が良くご存じのハズだから・・・・
私達夫婦は末端売人のお陰で、結局ミイラとりがミイラになったのだ。
でも快楽のミイラはなかなか良いぞ(笑)
イキッぱなしだ。
男もイッてないのにイッた感覚でいる。
これを辞めないで何をする・・・・
マゼモノがないものを打つと少しまともになるのは不思議だった。
昔、マゼモノを食らったアキラと言う男が(その後亡くなっている)倒れた。
アキラの父親が、純粋のモノを打ったのだ。
そしたら元気になったという現場を見た。
ヘタな求心より純度のいいももが、マゼモノを消してくれるのか・・・
この親子は共にシャブで亡くなっている。
いつも私は思う。
純度のいいもモノを打っていれば体にはいいと言う人間がいた。
しかし、その人間もシャブを打ってる最中に亡くなった。
覚せい剤とはそういうものだ。