既に1月中旬に終わった ロサンゼルス郡ゲッティ•センターのウィリアム•ブレイク展、 今さらながらご報告。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/fe/8f/j/o1080081015390724709.jpg?caw=800)
テート•ブリテンからはるばるやってきた作品群を中心に、イェール•センター• フォー•ブリティッシュアート、ハンティントン•ライブラリーからの貴重な収蔵品の数々、情報量が多くて圧倒された特別展でした。
いつものように、特別展のある建物への階段には画家のアートが。
ウィリアム•ブレイクの生み出した神話より。「ユリゼン」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/69/f5/j/o0810108015390724713.jpg?caw=800)
ウィリアム•ブレイク(1757~1827年)、ラファエル前派の画家達が絶賛していた関係で、そっち方面から興味を持った私ですが、知らないことだらけだったお陰でかなり楽しみ、ハマってしまいました。
絵や詩集、預言書で有名なだけではなかったのです。
知らなかった事。
ウィリアム•ブレイクの本業は銅版画印刷屋だったこと。
当時は詩集、絵より、主に銅版画印刷の収入で生計を立てていたそう。
自分の作品を印刷するお金もないから、自分で独自の印刷方法を生み出し、安く済まそうと印刷を始めたところ、その技術が買われ、本業となったそう。
第三者を通さず出版出来る、
ひょっとしたら自主制作出版の元祖??
例えば、このウィリアム•フォガースの<Beggar 's Opera , Act lll > の元の絵。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/70/c0/j/o0608048415390725106.jpg?caw=800)
この絵を依頼され、ウイリアム•ブレイクがエッチング、エングレービングし、印刷したものが下の作品。
(1790年)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/b5/f4/j/o1080081015390724716.jpg?caw=800)
細かいです。
内装デザインは、ブレイク版の方が良い?
こちらも、Henry Fuseliという人が 「ミケランジェロの絵をプリントしてくれ」とペンでサラサラとイメージを描いた物 ![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/ca/41/j/o0810108015390724717.jpg?caw=800)
これを元に、デザインして、印刷したもの![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
えらい男前に変身してるし、背景もいい感じに仕上がって印刷されてます。
(1788年頃)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/a5/8c/j/o0810108015390724718.jpg?caw=800)
そんな感じで、銅版画印刷の依頼は多くあり、数々の作品が残っているようです。
とはいえ、正統派とは言えないデザインに賛否両論もあったようで、一時期所属していたロイヤル•アカデミーでは学長のジョシュア•レイノルズに反発したため支持を得られず、画家としては仕事もなく大変だったそう。
(私もジョシュア•レイノルズのような正統派の方が好きなんですけどね。。)
それでも、我が道を行った人生、格好いいです。
統合失調症があったり、幻視者(この展覧会のタイトル" Visionary ")だったり、降霊が出来、歴史上の人物に会ったりした、などのエピソードがある彼独特の世界観溢れるデザインは、理解不能だからこそ興味深い作品になっています。
現代美術なら不思議ではない作品スタイルも、今から200年以上前には理解されなかったハズ。
日本はまだ江戸時代。
江戸時代に下
のような絵なんだから、新し過ぎる。
![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
1823年にイギリスの画家 ジョン•リンネルから依頼され作った作品。
「ヨブ記」(1825年印刷) のイラストレーション数作品。 エングレービング。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240118/05/sabakude-amimono/93/11/j/o0810108015390724722.jpg?caw=800)
妖精のイメージの元祖とも言われているそう。
子供達小さい。
「ジェイムス•ハーヴェイの"墓場の瞑想" の概要」(1820~25年 頃) インク、水彩、ゴールドペイント
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240211/10/sabakude-amimono/90/f5/j/o0810108015400018145.jpg?caw=800)
イギリスの神学者 ジェイムス•ハーヴェイの宗教的瞑想を要約して描いた絵だそう。
後ろ姿で立っているのはジェイムス•ハーヴェイだと言われてます。
その本は読んでないけど、解説に書いてありました。
早すぎる死を哀しみ、復活を願い、楽園への階段の下にいる人物。
楽園で、又 愛する人に再び会えるのでしょうか?
「ノミの幽霊の頭」1819年
鉛筆画
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240211/10/sabakude-amimono/0b/1c/j/o0810108015400020677.jpg?caw=800)
この絵は有名ですが、凄く小さくてビックリ。
縦20センチ程です。
長くなったので、残りは次回に。
彩飾印刷で手掛けた預言書や詩集などを紹介します。
![星](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/089.png)
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ウィリアム•ブレイクに影響された芸術は現在も色々な所で登場します。
家族で「おぉー、ウィリアム•ブレイク!」と観たばかりだったので盛り上がってしまいました。
この映画、強迫性障害を持ったジャックがシリアルキラーになるサイコホラー映画なので
そんなにお薦めするわけにはいきませんが、
マット•ディロンのサイコぶりがとても良かった。
序盤は理解に苦しむ映画だけど。。。
主人公のジャックが見えない誰かと喋ってるんですよね。
で、私は途中でやっと声の主の正体に気付くのだけど、そうすると、どんどんダンテの「神曲」っぽい世界になり、面白くなりました。
映画後、息子に 「後半やっと意味が分かったわー。」と言うと、
息子「俺、最初から分かったよ。」
私 「えぇー、凄いなー。すぐ気付いたん?」
息子「ネットであらすじ読んだからな。」
だそう。
映画は予習して観るらしい。
結末が分かっても気にしない。
確かに、この映画に関しては、知ってた方が楽しめたかな。
• • • 次回に続く。